1991 Fiscal Year Annual Research Report
幼若単離心筋細胞を用いた細胞生理及び細胞障害の研究
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03670653
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
折田 博之 山形大学, 医学部, 助手 (00152570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深沢 学 山形大学, 医学部, 助手 (90218876)
島貫 隆夫 山形大学, 医学部, 助手 (90211284)
鷺尾 正彦 山形大学, 医学部, 教授 (20018310)
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Keywords | 幼若単離心筋細胞 / 心筋細胞培養 / 線維芽細胞 / 心筋細胞分化 / 心筋細胞障害 |
Research Abstract |
本研究は幼若単離心筋細胞を用いて、生理的に存在する線維芽細胞の心筋細胞機能におよぼす影響について心筋細胞拍動数、細胞肥大率、細胞収縮率、培養液中の逸脱酵素等の変化をみることにより検討し、更に低温状態及び虚血状態における心筋細胞障害に対する、線維芽細胞の作用について研究することを目的とした。 研究方法:新生ラット(生後1ー2日)摘出心より心筋細胞を単離した。この単離過程で線維芽細胞を分離することができる。この2種類の細胞を種々な割合で混合して培養し(基礎培地は、MCDBー107培地を使用)、心筋細胞拍動数、細胞肥大率の変化をみた。ついで、培養開始後4日目の細胞を用い、種々の低温状態(4、10、15、20℃)とし、心筋細胞障害の程度を検討し、更に、線維芽細胞の心筋細胞障害に及ぼす作用について検討した。 研究結果:心筋細胞のみの培養(コントロ-ル群)では、培養開始後2日より拍動数は急速に増加し、5日でピ-クに達し、以後漸減したが、心筋細胞と線維細胞とを混合した培養(混合培養群)では、心筋細胞拍動数の増加は著明に抑制された。また、心筋細胞肥大率では、混合培養群で有意な増加が認められた。線維芽細胞は、幼若心筋細胞に対し拍動数を抑制(収縮力増大)し、細胞肥大を促進する作用があり、このことは細胞分化促進作用と考えられた。また、低温状態(特に4℃)では、時間の経過とともにコントロ-ル群での細胞障害は高度となり、48時間保存後には心筋細胞拍動の回復はみられず、免脱酵素の遊出は著明であったが、混合培養群では、拍動の回復がみられ、逸脱酵素の遊出は有意に抑制された。線維芽細胞は,心筋細胞の低温障害に対し保護的に働くものと考えられた。線維芽細胞は、生理的状態では心筋細胞の発育を促し、非生理的状態では保護的に作用するのではないかと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroyuki Orita,et al.: "Modulation of cardiac myocyte viability by cardiac fibroblasts isolated from neonatal rat ventricle." Cardiovascular Research.
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[Publications] Hiroyuki Orita et al.: "Cardiac myocyte culture as an in vitro experimental model for eveluation of hypothermic preservation." Japanese Journal of Surgery.
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[Publications] Hiroyuki Orita,et al.: "Protection of cardiac myocyte hypothermic injury by cardiac fibroblasts isolated from neonatal rat ventricle." Cardiovascular Resaarch.