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1991 Fiscal Year Annual Research Report

肺癌リンパ節転移に対する線維芽細胞の関与の可能性と治療への応用

Research Project

Project/Area Number 03670655
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

今泉 宗久  名古屋大学, 医学部, 助教授 (90109322)

Keywords肺癌 / 線維芽細胞 / 肺癌培養細胞 / リンパ節転移 / 制癌剤感受性試験法 / ヌ-ドマウス
Research Abstract

肺癌細胞と線維芽細胞間の複雑な相互作用について検討し、その臨床応用を試みた。用いた肺癌培養細胞は8種類,肺癌組織由来の線維芽細胞は12種類で,非担癌肺組織由来のものは2種類であった。これらの線維芽細胞のcondition medium(C.M.)を肺癌細胞に加え、肺癌細胞の増殖促進効果をMTT colorimetric assay法により判定した。肺癌細胞8種類のうち4種類がいずれかの線維芽細胞のC.M.により増殖が促進され、EGFなどに対する反応も同じ傾向であった。FCM分析から、C.M.は肺癌細胞のG_0.G_1期に作用し、増殖が促進されることが明らかにされた。また、線維芽細胞の半数は肺癌細胞増殖促進効果を有し、この効果は非担癌肺組織由来のもののC.M.でも認められたが、腫瘍抑制効果はみられなかった。In vitroにおける線維芽細胞のC.M.の肺癌細胞増殖促進効果はヌ-ドマウス移植腫瘍でも同じ効果がみられた。この事より、in vitroにおいて認められる一部の線維芽細胞が有する肺癌細胞増殖促進効果を調べることは、in vivoにおける腫瘍内線維芽細胞の働きを予測し得る可能性がある。一方、肺癌患者より得られた線維芽細胞14種類のうち、6種類の線維芽細胞のC.M.によりLuci10肺癌細胞の増殖が促進された。In vitroの線維芽細胞の増殖促進効果とリンパ節転移との関係では、増殖促進能のある線維芽細胞を有する6症例のうち、1症例のみn。腺癌症例であったが、5症例は腺癌,扁平上皮癌,大細胞癌などのn_2症例で、比較的早期より広範なリンパ節転移が認められた。また増殖促進効果の有無と腫瘍径との間には関係がなかった。以上より、線維芽細胞の肺癌細胞に対する増殖促進効果とリンパ節転移との間に何らかの関与があり、個々の肺癌患者の線維芽細胞のC.M.の反応から、個々の患者の予後をある程度予知するin vitro法として応用できると考えられ、更に臨床例を加えて検討中である。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 内田 達男,榊原 正典,今泉 宗久,阿部 稔雄: "肺癌細胞と線維芽細胞のin vitroおよびin vivoにおける相互作用" 日本外科学会雑誌. 92(5). 592-597 (1991)

  • [Publications] 今泉 宗久,榊原 正典,阿部 稔雄: "肺・縦隔ヒト細胞樹立株,特に当教室におけるヒト肺癌培養細胞株の樹立とその性状" Human cell(Supplement)(Ninth Annual Meeting of Japan Human Cell Society)1991.Kyoto. 4(3). 105-106 (1991)

  • [Publications] 榊原 正典,今泉 宗久,内田 達男,阿部 稔雄: "肺癌のin vitro制癌剤感受性試験における線維芽細胞の影響について" 日本外科学会雑誌. 92(12). 1713-1718 (1991)

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Published: 1993-03-16   Modified: 2016-04-21  

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