1991 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経細胞より放出される内皮由来弛緩因子の脳循環調節への関与の研究
Project/Area Number |
03670673
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根本 繁 東京大学, 医学部・(病), 助手 (20228290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 富男 東京大学, 医学部・(病), 講師 (10134561)
野々村 禎昭 東京大学, 医学部, 教授 (80009993)
金 彪 東京大学, 医学部・(病), 助手 (90231290)
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Keywords | 脳微小血管 / 細動脈 / 収縮弛緩 / cyclic GMP / 一酸化窒素 / モルフォメトリ- / ミオシン軽鎖 / リン酸化 |
Research Abstract |
平成3年度には脳循環調節に最大の関与をする脳内細動脈の反応性の測定を行ってきた。密度勾配遠沈法とnylon meshによるfiltrationを組み合わせた方法で脳内微小血管を採取する技術を導入確立した。細動脈を多く含むpreparationを効率よく採取し、しかも血管以外の神経組織のdebris等の混入の少ない,純度の高い標本が得られる様になった。また、等電点電気泳動とSDS泳動を組み合わせた2次元泳動を用いて、この微量の血管分画からミオシン軽鎖を抽出し、リン酸化と非リン酸化の部分に分離することができる様になった。微細脳動脈の収縮弛緩の活動を形態学的に観察する技術の開発は当初の計画にはなかったが、試みてみた処、大変有用であることがわかったので継続して開発してきた。微小血管分画中の細動脈をmicroorgan chamberに定着させて収縮弛緩を形態的に径の変化して観察するものである。最近、位相差顕微鏡にCCDカメラ、VTR、イメ-ジアナライザ-、パ-ソナルコンピュ-タを組み合わせた計測システムを導入して、血管径の収縮弛緩による形態学的変化を定量的に測定できるようになった。現在、微細動脈の薬理学的反応性を種々のアゴニストに対して計測している。内皮依存性のアゴニストやguanylate cyclaseを刺激しcyclic GMPを介して弛緩をおこす薬剤を用いて脳実質内の微細動脈におけるcyclic GMP pathwayの存在と、内皮由来弛緩因子弛緩因子ーNOの微小循環調節への関与を調べているところである。また、採取した微細脳動脈をprimary cultureとして保存し、時間の経過とともに薬理学的な収縮弛緩の反応性がどのように変化して行くか観察しているところである。
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