1992 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血による微小循環障害の解析とそれに基づく治療法の開発
Project/Area Number |
03670683
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00201046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 天美 大阪大学, 医学部, 助手
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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Keywords | 脳虚血 / 微小循環 / 活性酸素 / SOD |
Research Abstract |
私どものこれまでの検討により、脳虚血急性期における局所の微小循環障害が血漿潅流血管長の減少として定量的にとらえられること、および血栓容解剤である組織性プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)がこの微小循環障害を改善することが明かとなった。t-PAのこのような効果は微小循環障害の発生機作として微小血管内の血栓形成が関与することを示唆している。私どもは血栓形成の原因として血管内皮細胞の障害による抗血栓活性の減少を想定し、脳虚血にともなう活性酸素の産生が内皮細胞障害をもたらす可能性を考えた。これを明らかにするためラット局所脳虚血モデルにおいて活性酸素のうちスーパーオキサイド(O_2^-)を選択的に消去するスーパーオキサイドディスミューテイス(SOD)を投与し、微小循環障害に与える影響を検討した。その結果、SODの投与は虚血巣の血漿潅流血管長の減少を有意に抑制し(p<0.01)、また組織学的障害をも軽減することが明かとなった。 従来、臓器虚血においては産生された活性酸素が直接組織障害をもたらすことが想定されがちであったが、本研究で得られた知見は、活性酸素が微小循環障害をもたらし、その後二次的に組織障害をきたす要因となりうることをも示唆している。従って活性酸素の消去は虚血性脳損傷の発生機作から考えると、より原因治療的なものといえる。本研究では遺伝子組換えによるヒト型SODを用いており、臨床的にも心疾患患者への投与が試みられており、虚血性脳損傷治療薬として臨床応用しうるものとして期待される。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "脳循環の特異性" 循環制御. 12. 195-201 (1991)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "脳虚血による微小循環障害と細胞傷害の発生" 日本救急医学会雑誌. 2. 233-234 (1991)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "脳虚血と神経細胞障害" Brain Medical. 4. 101-106 (1992)
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[Publications] Yamamoto,S: "Protective effect of NGF atelocollagen mini-pellet on the hippocampal delayed neuronal death in gerbils." Neuroscuence Letters. 141. 161-165 (1992)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "神経成長因子(nerve growth factor)による虚血性神経細胞死の防止" 神経病理学. 11. 135-139 (1992)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "神経移植とFGF" Clinical Neuroscience. 10. 1019-1022 (1992)
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[Publications] 竹本 理: "小動物における脳虚血モデル" 病態生理. 11. 696-702 (1992)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "脳虚血急性期の微小循環障害。微小血管内血栓およびラジカル産生の関与。" Therapeutic Research. 13. 3261-3269 (1992)
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[Publications] 中島 伸: "実験的脳虚血急性期の微小循環障害に対する組織ブラスミノゲン活性化因子の効果。" 脳卒中. 14. 613-618 (1992)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "脳虚血・再潅流と微小循環障害" nanoGIGA. (1993)
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[Publications] 吉峰 俊樹: "虚血と臓器障害-虚血によって何が起こるか?" へるす出版, 141 (1991)