1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670690
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
前田 稔 順天堂大学, 医学部, 教授 (40101430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 健太郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (30200364)
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Keywords | 脳血管緊張 / 脳虚血 / 脳腫脹 / 視床下部・中脳 / 脳幹網様体 |
Research Abstract |
平成3年度は、成猫を用い、クロラロ-ス麻酔下に実験を行なった。頭蓋内圧(ICP),脳血流(CBF)、脳動静脈酸素分圧較差(AVjDO_2)、呼気Co_2分圧、大腿動脈圧(BP)、EEG Power spectrumを連続記録した。新たに得られた所見として、 I〕5分、15分間脳虚血後の各種モニタ-の動向: (1)5分あるいは15分間脳虚血delayed swelling群:脳圧迫除去後ICPは徐々に上昇を来し、やがて脳死状態に至る群。CBFは圧迫除去後一過性の著明な増加を認めた後、コントロ-ル値の1/3の値にまで低下し続けた。AVjDO_2とCBFから算出したCMRO_2の時間経過は圧迫除去後コントロ-ル値の約50%で9時間以上経過しても改善を認めなかった。速波成分(α_2+β)の周波数百分率をみると速波帯域の占める割合は著明に少なかった。速波成分の時間的動向はCMRO_2の時間経過とほぼ一致していた。 (2)5分間脳虚血no swelling群:全経過中ICPの上昇がわずか、一過性に留まる。CBFは圧迫除去後一過性の増加を認めた後、control値よりも低下し、その後改善した。CMRO_2は圧迫除去後5時間を経て回復した。EEGでの速波帯域の減少はきわめてわずかであった。 II〕swelling群、no swelling群の組織学的検索: swelling群では視床下部、中脳及び脳幹網様体に小出血巣を認めた。これらの部位のEvans Blueの漏出がみられ、BBTの破掟による脳浮腫がみられた。また脳細・毛網血管の拡大がみられ脳血液含有量の増大が示唆された。これらの部位の機能不全が脳腫脹の発現に関与しているものと示唆された。 尚、平成3年度に購入したレ-ザ-組織血流計は、CBFの測定に、体温測定用ユニットは猫の全身状態の管理に、引算増巾器はCerebral perfusion pressureの測定に使用し、これら設備は研究の進展に大いに役立った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 前田 稔: "頭蓋内圧力環境の制御における脳幹の役割" Neurosurgeons. 10. 274-285 (1991)
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[Publications] 前田 稔: "頭蓋内圧亢進と脳虚血" 循環制御. 12. 229-237 (1991)
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[Publications] Maeda,M.,Miyazaki,M.,and Ishii,S.: "Control of ICP by The Medullary Reticular Formation" Intracranial Pressure. 8. 15 (1991)
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[Publications] Yabuki,A.,Maeda,M.,Sato,K.,and Ishii,S.: "AVDO_2 and EEG as Indicators for Treatment of Postーtraumatic Brain Swelling." Neurologia medicoーchirurgica. 31. 568-574 (1991)
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[Publications] Maeda,M.,Miyazaki,M.and Ishii,S.: "Intracranial Pressure VIII" SpringerーVerlag, (1992)
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[Publications] Yabuki,A.,Mishina,H.and Maeda,M.: "Intracranial Pressure VIII" SpringerーVerlag, (1992)