1993 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロオキシアパタイト製人工腱鞘を用いた腱癒着防止に関する検討
Project/Area Number |
03670701
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Research Institution | Yamanashi Medical University |
Principal Investigator |
浜田 良機 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (80096544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 忠一 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60209278)
穂苅 行貴 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00229329)
中島 育昌 山梨医科大学, 医学部, 講師 (70057024)
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Keywords | 生体材料 / ハイドロオキシアパタイト / 人工腱鞘 / 癒着 / 腱縫合術 / 屈筋腱損傷 |
Research Abstract |
最終年度は、すでに術後6週までのハイドロオキシアパタイト製人工腱鞘の有用性が確認された前年度までの実験成果に基づいて、引き続き術後12週までの癒着防止効果が継続するか否かの実験を行った。その結果12週までその効果が持続することが確認された。 腱縫合術では、術後6週より積極的な可動域訓練を開始するため、この時期まで腱縫合部と周囲組織の癒着が防止できれば、その後は可動域訓練の結果もたらされる腱の滑走により癒着は発生しないと考えられている。しかしなかには術後6週でも十分な可動域訓練が困難な例もあり、術後12週までの効果を検索した。その結果、術後12週においてもハイドロオキシアパタイト人工腱鞘を利用した場合には良好な結果が得られることが確認されたので、ハイドロオキシアパタイト人工腱鞘は、素材としては十分に、腱縫合後の癒着防止材として臨床応用可能との結論に至った。しかしハイドロオキシアパタイトは、力学的に硬く、かつ脆いとの欠点があり、当初はこの人工腱鞘を装用した状態での可動域訓練を行えば、人工腱鞘が自動的破壊され、その後は問題なく経過すると考えたが、実際の実験では可動域訓練が困難であることが判明したため、訓練を開始する術後3週で抜去せざるをえない欠点が浮き彫りにされた。この改善のためハイドロオキシアパタイ布の開発が進められているが、技術的、経済的問題もあって、未だ実用に至っていない。今後この点が解決された後には、再度実験を施行したいと考えている。 なお、これらの研究成果はすでに、平成3年から5年にかけて3編の論文として、発表されている。
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[Publications] Najam A.Siddiqi: "An experimental study on the application of a hydroxyapatite artificial tendon sheath to prevent adhesions after tendon repair" 日整会誌. 65. 561-570 (1991)
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[Publications] Najam A.Siddiqi: "The uses of a hydroxyapatite artificial tendon sheath to protect the site of tenorrhaphy from adhesions:a new possibility" Artificial organ today. 2. 185-196 (1992)
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[Publications] Najam A.Siddiqi: "The healing of flexor tendons in chickens" International Orthopaedics(SICOT). 16. 363-368 (1992)