1991 Fiscal Year Annual Research Report
新しい歩行解析による変形性膝関節症の関節動揺性および治療法の検討
Project/Area Number |
03670706
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
緒方 公介 福岡大学, 医学部, 教授 (40136437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広川 俊二 九州大学, 教養部, 教授 (80150374)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 膝関節 / 歩行分析 / 加速度計 / 足底板 / 生体力学 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
当該年度は膝関節の側方動揺に及ぼす足底板の動的効果を加速度解析法で評価し、変形性膝関節症に対する足底板の適応および治療効果を判定する試みを行った。 【方法】歩行時の膝関節の側方動揺の大きさを加速度計で計測し、telemeterを介して連続記録した。被験者を、1)正常群(10膝)、2)外側楔の足底板で治療している内反群(50膝)、3)内側楔の足底板で治療している外反群(8膝)に分けて計測した。正常群では、1)足底板なし、2)外側楔の足底板、3)内側楔を順次装着して歩行させて計測を行った。内反群と外反群では、先ず足底板なしで、次いで各人の足底板を装着して計測した。内反群50膝のうち27膝は足底板で膝痛の軽減を認めていた。また外反群8例では8膝全てに足底板の良好な効果を認めていた。 【結果】正常群の足底板なしの状態での計測では、heelーstrike直後に外側方向への単一ピ-クの加速度が観測され、その直後とtoeーoffの時点では逆に内側方向への加速度を認めた。立脚期初期の側方加速度の最大値は外側楔の足底板で有意に減少し、逆に内側楔で増加した。内反群の38例全てにおいてheelーstrike直後の外側方向のピ-ク加速度値は外側楔の足底板により減少したが、この減少の度合いは臨床的に認めた足底板の方が、効果を認めなかった足底板よりも有意に大きかった。一方外反群とは逆にheelーstrike直後に内側方向への単一ピ-クの加速度を認め、その直後とtoeーoffの時点では逆に外側方向への加速度を認めた。内側楔の足底板を装着して歩行すると、立脚期初期の内側方向の加速度は著明に減少した。 【結論】変形性膝関節症に対する足底板の効果は歩行時の膝の側方動揺性を減少させることにあり、加速度計測により足底板治療の適応決定を明確にすることが出来た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ogata,K,Miura,H.,Kawamura,H.,Hirokawa,S.,sugioka,Y.: "Effects of an wedged insole on the lateral thrust of the knee:evaluation with an accelerometric technique in normal and osteoarthritic knees." Trasactions of Orthopaedic Research Society. 17. 482 (1992)
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[Publications] 緒方 公介: "変形性膝関節症に対する足底板の効果ー加速度解析法による膝関節側方動揺性の評価ー" 第65回日本整形外科学会学術集会において発表予定(1992.4.19).