1992 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症性多臓器不全における肝不全の病態生理とその治療について
Project/Area Number |
03670719
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大竹 喜雄 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (50194189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 成人 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90204205)
菅井 桂雄 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10187627)
平澤 博之 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (80114320)
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Keywords | 敗血症性多臓器不全 / 肝不全 / 肝細胞エネルギー代謝 / 全身のエネルギー代謝 / mediator / continuous hemofiltration(CHF) / continuous bemodiafil-tration(CHDF) / plasam exchange |
Research Abstract |
急性肝不全というclinical entityの中に、さまざまな原因によるものが含まれるが、肝細胞および全身のエネルギー代謝が異なることが明らかとなった。すなわち、肝細胞エネルギー代謝の指標として動脈血中ケトン体比(AKBR)、ケトン体量、Iactate、pyruvate、全身のエネルギー代謝の指標として間接熱量測定法を用いて測定症てきるエネルギー消費量、呼吸商、消費エネルギー中の脂肪の割合を示す%Fat等について肝不全合併多臓器不全(MOF)と劇症肝炎において比較検討すると代謝異常は肝不全合併MOFでは全身であり、劇症肝炎では肝であり、AKBRは同様に低値であるが、ケトン体量は肝不全合併MOFでは増加しており、劇症肝炎は50μmole/l以下である。肝不全合併MOFでは、呼吸商はAKBRに比例して低下し、エネルギー基質としては内因性の脂肪が用いられており、劇症肝炎では呼吸商は1に近く、エネルギー基質として糖が用いられていた。 治療法に関しては、肝のミトコンドリア機能を示すAKBRが指標としてみてみると、plasma exchangeに肝エネルギー代謝の改善作用が認められた。また、肝性昏睡時における意識改善にcontinuous hemodiafiltration(CHDF)が有用であり、劇症肝炎における血液浄化法として連日のplasma cxchangeに加えてを施行し、有用性を認めている。Mediator対策としては、continuous hemodiafiltrationおよびcontinuous hemodiafiltrationを用いて、その除去能力について検討中である。 当初、実験的研究を計画し、その実現に努力してきたが、肝潅流液作成上の問題、予定していたparameter測定上の問題等が生じ、実験的研究施行が困難となったので、実験的研究を断念し、その分を臨床的研究に向けた。
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