1991 Fiscal Year Annual Research Report
星状神経節細胞内、外活性電位の測定による麻酔薬投与下の交感神経活動の解析と応用
Project/Area Number |
03670723
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 智政 名古屋大学, 医学部, 講師 (50161568)
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Keywords | 星状神経節 / 麻酔薬 / ハロセン / サイアミラ-ル / ケタミン / 交感神経 |
Research Abstract |
ネコを用いて節後繊維である星状心臓神経(SCN)から複合活動電位を銀線双極電極を用いて増幅後、ウィンドコンパレ-タ-付パルス密度変化ユニット(NEC三栄、特注現有)にて5msec毎にスパイク数を計測し、デ-タ-レコ-ダ-(SONY、現有)に収録した。これらのデ-タ-は心電図のQRS波形にてトリガ-し、アベレ-ジャ-(日本光電、現有)にて16回平均加算し、動脈圧波形の各時相におけるパルス密度の変化(以下PDVと略)を解析した。また麻酔薬としてハロセン(0.75,1.5%)、サイアミラ-ル(5,10mg/kg)、ケタミン(1,5mg/kg)を各々投与した。 この結果PDVは脈波の収縮期の前半にかけて活動が増加しており、心臓収縮に寄与しているものと推測された。また脈波が十分立ち上がったあとは圧反射の影響を受けてPDVが抑制されていた。ハロセンおよびサイアミラ-ル投与下ではSCNの自発活動電位は濃度依存性に低下する傾向があり、さらにSCNの群放電が低下して脈波との同調性が低下し、その結果交感神経系のdriveが低下して心筋収縮が減少していた。一方ケタミンでは両者の神経活動は維持されており、交感神経活動への影響は少なかった。 平成3年度予定していた実験の一部はさらに継続研究の予定であるが、星状神経節細胞から記録したin vivoでのcellの数がまだ十分得られていない。この理由として(1)cellのサイズが比較的小さく電位をホ-ルドすることが困難である、(2)星状神経節の固定が不十分でありさらに表面を加温したパラフィンで被覆しただけであったため実験後半でSGの浮腫や出血のためにSG内の神経細胞質が変性した可能性があった。またプレパレ-ション中に星状神経節の栄養血管を損傷する可能性があり、投与した麻酔薬が十分到達していない可能性があった。このため実験の重点をcellに対する電気刺激と、血圧変化による応答性に重点をおいて、循環の神経性調節におけるSGの役割をさらに継続研究中である。
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