1991 Fiscal Year Annual Research Report
タコ網膜早期受容器電位に及ぼす揮発性麻酔薬の作用ー麻酔機序に関してー
Project/Area Number |
03670725
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真下 節 大阪大学, 医学部, 講師 (60157188)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 浩三 岡山大学, 理学部附属臨海実験所, 助手 (20033194)
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
|
Keywords | ロドプシン / 早期受容体電位(ERP) / 揮発性麻酔薬 / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
膜蛋白質に対する麻酔薬の作用に関して、網膜の早期受容体電位(ERP)を測定することによってロドプシンの光照射に伴う分子構造変化に及ぼす揮発性麻酔薬の影響を調べた。イイダコの眼球を摘出して得られた眼杯標本を海水で潅流しながら、塩化銀電極を用いて硝子体側と強膜側から電位を誘導した。600nmの順応光照射下において紫色閃光を照射すると正のERPが得られ、470nmの順応光照射下で橙色閃光照射すると負のERPが得られた。両ERPの振幅は、揮発性麻酔薬ハロセンおよびエンフルレンによって濃度依存的に抑制された。正および負のERPはそれぞれロドプシン蛋白がロドプシンからメタロドプシンへの構造変化およびその逆の変化に伴って発生する電位であることが判っている。以上の研究結果は、ERPの麻酔薬による抑制がロドプシン分子に対する麻酔薬の直接作用の結果であることを示唆した。 イイダコの網膜ERPに対する揮発性麻酔薬の作用を検索して行くうちに、麻酔薬感受性が日内変動することが判ってきた。すなわち、正午から夕方にかけては麻酔薬感受性が減少し、夜間から早朝にかけては感受性が増大するという傾向がみられた。このため、ERPに対する厳密な麻酔薬の影響をみるためには、日内変動についてさらに詳細に検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)