1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670728
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
定光 大海 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (10187164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 剛志 山口大学, 医学部・附属病院, 教授 (60034972)
佐貫 和俊 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (20235435)
副島 由行 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (20206676)
立石 彰男 山口大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00155102)
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Keywords | 敗血症性脳症 / ケミルミネッセンス / 脳波 / 聴覚誘発電位 / 経頭蓋的超音波ドップラ- / 内頚静脈酸素飽和度 |
Research Abstract |
1.多核白血球の活性度(微弱発光)の測定 全血ルミノ-ル依存性化学発光法により多核白血球の化学発光量(CL)を健康成人血液を用いて測定した。【対象]25歳から40歳の健康成人10名で、静脈より採血した血液0.2mlを用いた。【方法】全血をHanks液(PH7〜7.4)1.65mlに加え、さらに1mmolルミノ-ル50μlを添加、10分間37℃で撹拌した後、非オプソニン化チモ-ザン0.1ml(40mg/ml Hanks液;懸濁液)を加えた時点から連続的にCLを記録した。測定器はアロカ社性BLRー201を用いた。【結果】peak CLは20.7±6.15kcpm(Mean±SD)、多核白血球1×10^6当りのpeak CLは38.29±8.02kcpmであった。以上の結果は過去に報告された値とほぼ一致した。本測定法の確立により敗血症例の白血球機能の検討が可能になった。 2.敗血症性脳症の脳循環代謝 【対象】敗血症例で意識レベル低下または脳波で徐波がみられた13例;年齢は21歳から73歳(平均57歳)、男6例、女7例。【方法】脳波と聴覚誘発電位(ABR)を同時に測定し、3例で経頭蓋的超音波ドップラ-(TCD)により中大脳動脈血流速度(MV)及びpulsatility index(PI)を測定した。4例で内頚静脈球部にカテ-テルを挿入し、酸素飽和度(SjvO_2)を測定した。また、4例で脳血流量(CBF)、脳酸素消費量(CMRo_2)を測定した。【結果】脳波所見をHockadayの分類でIIからIIIとIVからVの2群に分け、ABR V波潜時をみるとそれぞれ6.584±0.441、8.16±0.965(Mean±SD)msecと有意な差がみられた(p<0.01)。TCD/脳波(MV(cm/sec)・PI/Hockaday)は56・0.93/I b、30・0.71/II b、18・2.20/IV bであった。SjvO_2(%)/Hockadayは52.9、78.8/II a、76.9/II a、86.8/IV bであった。CBF/CMRO_2は28.45±10.0/1.15±0.45(ml/100g/min)であった。【考察】敗血症性脳症の脳循環・代謝動態の変動は、脳波だけでなくABR、TCD、SjvO_2でも評価できると考えられた。今後は他の臓器機能との関連及び脳症に対する塩酸ビフェメランの効果を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)