1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670733
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉村 望 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60041399)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 照子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10041328)
|
Keywords | ハロゲン化麻酔薬 / 腎阻血 / 腎障害 |
Research Abstract |
ハロゲン化麻酔薬が腎阻血後の腎に及ぼす影響について検討した。〈方法〉7週令雄ウィスタ-系ラットを30%酸素下で1.3MAのインフルレン、ハロセン、セボフルレン、エンフルレンで麻酔し、左腎動脈を30分間阻血した。阻血解除後さらに90分間麻酔を維持した。麻酔終了24時間後に阻血側腎を固定しヘマトキシリンエオジン染色を行い壊死を調べた。壊死の程度は、壊死面積が占める割合で0:(0%)、1:(0ー10)、2:(0ー50)、3:(>50)のスコア-で表した。また麻酔終了時に腎障害の指標となる尿中γGTP、NAG、血清クレアチニン、BUNと血清無機フッ素濃度を測定した。各麻酔薬群でシャム群を作り同様の測定を行った。無麻酔対照群(コントロ-ル)と、1.3MAC麻酔2時間後(麻酔コントロ-ル群)の尿中γGTP、NAG、血清無機フッ素を測定した。〈結果〉(1)阻血により壊死が生じたが、いずれの麻酔薬でもシャム群では壊死は認められなかった。壊死は皮質内側で最も強くついで、髄質集合管、皮質外側で、乳頭部には認められなかった。壊死スコア-はハロセン3.9±0.4、インフルレン2.3±0.4、エンフルレン5.2±0.4、セボフルレン4.8±0.6であり、イソフルレンで軽度であった。(2)麻酔コントロ-ル群ではコントロ-ル群に対し尿中γGTPは100倍、NAGは5倍に上昇した。シャム及び阻血群とも麻酔コントロ-ル群より上昇傾向にあったが、両群間に差はなかった。また麻酔薬群間に有意差はなかった。両酵素は阻血後の腎障害の程度を必ずしも反映しなかった。(3)血清クレアチニン、BUNには麻酔及び阻血の影響はなかった。(4)血清無機フッ素はエンフルレン、セボフルレン群で麻酔コントロ-ル群、シャム群、阻血群とも有意に上昇した。〈結論〉ハロゲン化麻酔薬下での腎阻血後の腎障害は、エンフルレン群で最も強くインフルレン群で軽度であった。
|
Research Products
(1 results)