1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670745
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安田 耕作 千葉大学, 医学部, 助教授 (70009710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 友典 千葉大学, 医学部, 助手 (90220425)
|
Keywords | 排尿機能検査 / 膀胱機能 / 尿道機能 / 前立腫肥大症 / 膀胱頸部硬化症 / 神経因性膀胱 / 尿失禁 / 排尿困難 |
Research Abstract |
下部尿路のマイクロチップトランスデュ-サ使用による排尿機能検査装置を完成した。対象はボランティア,前立腺肥大症患者,膀胱頸部硬化症患者そして各種神経因性膀胱患者である。結果を蓄尿時の現象より述る。ボランティアでは安定膀胱で無抑制収縮はない。膀胱と尿協調し蓄尿へ向けて働く。前立腺肥大症では膀胱は約半数が不安定膀胱であり腺腫の圧迫により前立腺部の圧は有意に高いが,この内圧はαーblockerで有意に低下する。膀胱頸部硬化症では約半数が不安定膀胱であるが尿道機能は正常である。神経因性膀胱では神経障害の部位によって種々の型の圧を示すが,尿道機能では蓄尿時に尿道括約筋が突然弛緩する括約筋無抑制弛緩がはっきり検出された。尿失禁の原因として膀胱の無抑制収縮の他に括約筋無抑制弛緩が検出できたことは本装置の優秀さを示すと思われる。排尿時の現象としても以下の如き種々の新しい現象を確認することができた。殊に最大尿流時の膀胱内圧と尿道内圧の関係を述る。前立腺肥大症では膀胱内圧>前立腺部尿道内圧,膀胱頸部硬化症では膀胱内圧>前立腺部尿道内圧,神経因性膀胱でも同じ関係を認めたが,ボランティアでは膀胱内圧=前立腺部尿道内圧であった。検討した結果膀胱頸部径が6mm以上開大するときは膀胱内圧=前立腺部尿道内圧となることが判明した。膀胱頸部径が6mm未満例にαーblockerを投与するとこの部が開大した。この亊は老人の排尿困難の原因として膀胱頸部径が6mm未満ならあげてよいという判定規準を示したことになる。他に排尿筋括約筋協調不全が容易に診断でき,排尿筋内括約筋協調不全という新しい現象も確認できた。後者の現象はαーblockerが半数に有効であり神経因性膀胱ばかりでなく老人の排尿困難にも検出し得た。これらは老人の排尿障害が神経受容体の変化に基づいていることが示された。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 安田 耕作,山西 友典: "脊髄血管障害のリハビリテ-ション排尿障害" 現代医療. 23. 180-183 (1992)
-
[Publications] 安田 耕作,山西 友典: "陰部神経ブロック" 泌尿器外科. 5. 81-83 (1992)
-
[Publications] K.Yasuda,K.Nagashima,N.Murayama,T.Yamanishi,M.Tojo,J.Shimazaki: "Change of External Urethral Sprincter Function in Prostatic Patients" Urol. Int.47(Suppl). 43-47 (1991)
-
[Publications] 山西 友典,安田 耕作,東條 雅季,村山 直人,和田 孝弘,島崎 淳,服部 孝道: "神経因性膀胱に対する経尿道的手術法の検討" 西日泌尿. 53. 933-937 (1991)
-
[Publications] 榊原 隆次,服部 孝道,安田 耕作,山西 友典,平山 恵造: "ShyーDrager症候群における排尿障害の研究" 自律神経. 28. 291-297 (1991)
-
[Publications] 村山 直人,山西 友典,安田 耕作,服部 孝道,永嶌 薫,高橋 和久,島崎 淳: "脊椎椎間板ヘルニアにおける尿流動態検査成績" 日泌尿会誌. 82. 607-612 (1991)
-
[Publications] 安田 耕作,永嶌 薫: "前立腺肥大症の診断と治療" 医薬ジャ-ナル社.竹中生昌編, 106 (1991)
-
[Publications] 阿曽 佳郎,島崎 淳,編,白岩 康夫,安田 耕作: "前立腺肥大症に伴う排尿障害の新しい治療をめぐって" メディカルジャ-ナル社, 239 (1991)