1991 Fiscal Year Annual Research Report
精巣におけるEpidermal growth factorレセプタ-に関する研究
Project/Area Number |
03670748
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
布施 秀樹 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (40143292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 泰蔵 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50152624)
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Keywords | 精巣 / Epidermal growth factorレセプタ- / 造精機能 |
Research Abstract |
男性不妊症の病因については不明な点も多く,いわゆる特発性造精機能障害が大部分を占める。したがってその治療も決定的なものは少なく,治療成績も必ずしも良好とはいいがたい。従来,造精機能の調節にはFSHおよびテストステロンが重要な役割を果しているとされていたが,最近マウスにおいて顎下腺より分泌されるEpidermal growth factor(以下EGF)が造精機能の調節に関与しているとの報告がなされた。もしそうだとすると精巣にはそのレセプタ-の存在が推定されるわけで,その証明によりEGFの造精機能との関係を裏付けることになる。そこで本研究では動物およびヒトでの精巣組織のEGFレセプタ-を生化学的および免疫組織化学的に検討した。実験動物としてマウス(C_3Hマウス)を用いて,その精巣をホモジネ-トして膜分画のレセプタ-を ^<125>IーEGFをリガンドとして飽和分析を施行した。しかしEGFに対する特異的結合を見い出すことができず,適正なインキュベ-ション時間,リガンド濃度などを検討中である。一方,免疫組織化学的(マウス抗ヒトEGFレセプタ-モノクロナ-ル抗体を用いたABC法)にてマウスの精巣を検討するとEGFレセプタ-は精細胞にはなく,セルトソ細胞に局在をみた。したがってEGFはセルトリ細胞を介して造精機能に作用している可能性が示唆された。このことは正常ヒト精巣(前立腺癌患者よりえたもの)においても同様の結果であった。そこでヒト精巣の病的状態でのレセプタ-の変化をみるため,特発性造精障害や精孛動脈癌患者よりえられた精巣の生検標本を用いて検討中である。
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