1991 Fiscal Year Annual Research Report
腎移植患者におけるILー2刺激リンパ球のキラ-活性測定による拒絶反応の診断
Project/Area Number |
03670756
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
竹内 正文 愛媛大学, 医学部, 教授 (70028471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 英昭 愛媛大学, 医学部, 助手 (20194558)
横山 雅好 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (50116993)
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Keywords | リンパ球 / interleukinー2 / 腎移植 / 慢性血液透析 / 拒絶反応 / 表面マ-カ- |
Research Abstract |
末梢血リンパ球のinterleukinー2(rILー2)に対する反応性を正確に判定するためには、再現性のある測定方法が不可欠である。しかしながら、通常の細胞と異なりrILー2刺激リンパ球は様々な処理による活性の変化が想像以上に大きい。そこで、われわれはまず健常者のリンパ球を用いてrILー2の濃度とリンパ球の反応性の関係を検討した。その結果、リンパ球の反応性は,rILー2濃度が4ー10μmol/mlでピ-クに達したその後漸減する。また反応時間は96時間で最も強い特異的反応を示すことがわかった。同様に、健常者のリンパ球を用いてrILー2刺激リンパ球の表面マ-カ-を検索し、細胞の処理条件や抗体濃度を決定した。また、K562やDaudi細lに対する細胞傷害活性も細かく条件を決定することで再現よく測定することが可能になった。そこで、健常者と慢性透析患者のリンパ球のrILー2に対する反応性や表面マ-カ-の違いを検討した。その結果、慢性透析患者ではrILー2に対する反応性が低下しており免疫能の低下が示唆された。この結果は、透析療法学会誌に投稿予定である。ついで、本来の目的であった腎移植患者のリンパ球で検討してみた。その結果、われわれが予備実験で観察したように、拒絶反応時と安定期ではリンパ球のrILー2に対する反応性が明かに異なることがわかった。すなわち安定期ではrILー2に対する反応性は健常者に比較して免疫抑制剤のため著明に低下しているが、拒絶反応時ではrILー2に対する反応性は健常者とほとんど差が無くなる。現在のところ、rILー2に対する反応性の結果判定まで最低4日間という時間がかかるため拒絶反応の診断には若干間題があるが、拒絶反応時と感染症の鑑別には非常に有用であることが期待され、今後さらに症例を増やし検討したい。
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Research Products
(1 results)