1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト腎癌に特異な癌遺伝子群の活性化機構の解明および遺伝子診断法と治療法の開発
Project/Area Number |
03670759
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
執印 太郎 横浜市立大学, 医学部泌尿器科, 講師 (80179019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学部泌尿器科, 助教授 (10106312)
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部泌尿器科, 教授 (30106330)
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Keywords | 腎癌 / A-myb / B-myb / 悪性度 / 進展 / 転移 |
Research Abstract |
ヒト腎細胞癌の悪性度、進展度に有位に相関する特異的な癌遺伝子を、発見する目的で、我々は現在まで様々な癌遺伝子の発現と、悪性度及び癌の進展性の相関について検討してきた。今回我々はヒト細胞のCell Cycle の後期に特異的に発現するC-myb関連遺伝子であるA-myb、B-mybに着目してその遺伝子発現をヒト腎癌組織を対象にして検討した。36例の原発ヒト腎癌組織を用いて遺伝子発現と悪性度、進展性との相関を検討した所、A-myb、B-mybともにstage34のヒト腎癌に発現していることが多く、特にB-myb遺伝子は、転移を有する症例でその原発組織及び、転移組織で高い発現を認めた。その他通常では転移を認めない部位に転移した症例の原発組織で、高い発現を認めた。B-mybの発現がStage3、4の腎癌で有位に発現しているかということについて、相関性を検討した所、統計的に有位という結果が得られた。A-mybについても同様な検討を行なったが有位な相関は得られなかった。 これらの結果よりヒト腎癌では、我々は以前に発見したC-ヒトbB-2、C-myc遺伝子以外にもA-mybや、特にB-myb遺伝子が、悪性化及び進展(転移)に、深く関わっていることが判明した。今后これらの結果をヒト腎癌の悪性度の予知に役立てたいと考えている。又これらの悪性化及び進展に関与する遺伝子の発現又は機能を抑制することにより新しい形のヒト腎癌の治療法を確立したいと考えている。
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Research Products
(1 results)