1991 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモン受容体に対する脂肪酸およびリン脂質の作用の検討
Project/Area Number |
03670772
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三橋 直樹 東京大学, 医学部・(病), 講師 (60114667)
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Keywords | エストロゲンレセプタ- / プロゲスチンレセプタ- / 脂肪酸 |
Research Abstract |
ラット子宮のエストロゲンレセプタ-、およびプロゲスチンレセプタ-につき検討を行った。28日令ラットの子宮を摘出し、10%グリセロ-ルトリスバッファ-でホモゲナイズし遠心、サイトゾルを採取しエストロゲンレセプタ-とした。プロゲスチンレセプタ-についてはジエチルスチルベステロ-ル投与後24時間で子宮を摘出し、同様にサイトゾルを採取した。レセプタ-のアッセイには庶糖密度勾配遠心法(SDS)、およびセファデックスLH20カラムを用いる二つの方法で検討した。エストロゲンレセプタ-にステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、アラキドン酸(20:4)、ドコサヘキサエン酸を加えSDSで検討するとレセプタ-とエストラジオ-ルの結合が阻害された。阻害の強さは炭素数が多いほど、また二重結合が多いほど強いようであった。またアラキドン酸で検討すると阻害の強さは用量反応的であった。また二重結合を持たないミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、アラキジン酸(20:0)、の阻害作用はほとんど認められず、この阻害作用に二重結合の存在が重要であると考えられた。プロゲスチンレセプタ-について検討するとやはりSDSでパルミトオレイン酸(16:1)、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸によりレセプタ-とR5020の結合が阻害され、アラキドン酸によるこの阻害は用量反応的であった。またエストロゲンレセプタ-と同様に脂肪酸の炭素数が多いほど、また二重結合が多いほどこの阻害作用は強かった。セファデックスLH20カラムを用いてエストロゲンレセプタ-に対するアラキドン酸の阻害作用をスカッチャ-ドアナリシスで検討すると、この阻害作用は競合阻害ではないようであった。またプロスタグランディンE_2で検討してみると、エストロゲンレセプタ-についてもプロゲスチンレセプタ-についても全く阻害作用はなかった。
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