1991 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌の発生過程に対するオンコジ-ンとチトクロ-ムP450の役割
Project/Area Number |
03670776
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 史隆 名古屋大学, 医学部, 講師 (40224985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 俊文 信州大学, 医学部, 助教授 (50231105)
加納 武夫 名古屋大学, 医学部, 講師 (50169596)
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Keywords | 子宮体癌 / チトクロ-ムP450 / PCR |
Research Abstract |
子宮筋腫の患者の手術時に子宮内膜を採取し直ちに生理食塩水にて洗浄後液体窒素で凍結保存した。この子宮内膜よりグアニジンーCsCl法にてRNAを抽出し、チトクロ-ムP450IA1とIIE1の20merよりなるプライマ-を作製して各々RTーPCR法にてmRNAの存在を調べた。P450IA1では明瞭なバンドが認められず、存在していないか、存在していても極めて微量であると考えられた。一方、P450IIE1は明瞭なバンドがみられ、このPCRで増幅された298bpのDNAは制限酵素であるMboIによって予想される169bpと129bpに切断された。このことは298bpのDNAがP450IIE1のmRNAを反映しており、人の子宮内膜にP450IIE1が存在することが明かとなった。次にP450IIE1を定量するために一般的にノ-ザンハイブリダイゼ-ションで使用されているβーactinをポジティブコントロ-ルとして採用した。βーactinもP450IIE1と同様に20merのプライマ-にて増幅し、MboIにて切断してβーactinのmRNAに特異的であることを確認した。PCRは定量的な実験には不向きであると考えられているが、我々はP450IIE1とβーactinのプライマ-を同時に使用することによりP450IIE1のmRNA量をβーactinとの比を求めることによって半定量する方法を確立した。〔αー^<32>P〕αCTPを使用して15例の子宮内膜RNAよりP450IIE1とβーactinの比を求めた。血清のエストラジオ-ルとプロジェステロンを手術当日に採血してRIAにて測定した。血清プロジェステロン値とP450IIE1との関連は見られなかったが、血清エストロジェン値とは正の相関を認めた。
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Research Products
(1 results)