1992 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型解析による自然流産したトリソミー個体の過剰染色体起源の解明
Project/Area Number |
03670788
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡本 悦治 広島大学, 医学部, 助教授 (00144824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 博 県立広島病院, 医師 (50144465)
上田 克憲 広島大学, 医学部, 助手 (80176586)
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Keywords | トリソミー / RFLP / 染色体異常 / DNA多型 / DNAプローベ |
Research Abstract |
トリソミーのうち21‐トリソミーについて過剰染色体の起源を同定するためJapanese Cancer Research Resoures Bank(JCRB)‐Geneより21番染色体上にあるrestriction fragment length polymorhism(RFLP)マーカーとして(1)D21S16 (2)D21S17 (3)D21S113(4)D21S15 (5)D21S19 (6)D21S82の6種類のプローベの供給を受けコンピテント細胞を増殖させ、プラスミドよりプローベDNAを回収した。 分析に際して、抽出したDNAを制限酵素にて切断し、アガロースゲル電気泳動の後、ゲルからナイロンメンブランへと、ペーパータオル法によるサザントランスファーを行った。ブロッティングの終了したナイロンメンブランに対し、前述のRFLPマーカーをnon‐radioactiveなdigoxigeninで標識し、ハイブリダイゼーションを行い、ELISA法による発色反応により検出した。 以上の研究と平行してヒト未受精卵の21番染色体の異常率を検索した。染色体標本の作製は美甘・上口の漸進固定空気乾燥法により行い、分析可能であった。148卵中(異常卵は32卵(21.6%)でこのうちG群の過剰であった例は1卵のみで、G群の異常率0.68%と低率であった。 一方精子の21番染色体異常率を検索するため21/13番染色体α‐サテライトDNAプローベを用いてFluorescence in situ Hybridization(FISH)法を行った。精子検査所見が正常であった6例についてそれぞれ3000個カウントし、蛍光シグナルが3個認められた異常精子の率は0.71%で、21番染色体が過剰であった精子の率は0.36%であると推定された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大浜 紘三: "流産と先天異常" 周産期医学. 22. 1235-1239 (1992)
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[Publications] 宇都宮 慎: "妊娠初期自然流産に関する免疫学的ならびに細胞遺伝学的研究" 日本産科婦人科学会雑誌. 44. 1413-1420 (1992)
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[Publications] 大浜 紘三: "流産児の染色体異常" 臨床婦人科産科. 47. 23-25 (1993)
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[Publications] 水之江 知哉: "Fluorescence in Situ Hybridization(FISH)法を用いた出生前診断の検討" 産科と婦人科. 60. 405-408 (1993)
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[Publications] 中岡 義晴: "ヒト未受精卵の染色体分析" 日産婦中国四国合同地方部会雑誌. 41. (1993)
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[Publications] 水之江 知哉: "Alpha Satellite Probeを用いたFISH法による新生児染色体異数性の検討" 日産婦中国四国合同地方部会雑誌. 41. (1993)