1991 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤機能の分化に関する分化誘導因子の役割に関する研究
Project/Area Number |
03670789
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
林 敬二 香川医科大学, 医学部, 助手 (30201718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏和 香川医科大学, 医学部, 助手 (80207125)
加藤 賢朗 東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (00185878)
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Keywords | hCG / Retinoic acid / Triiode thyronine |
Research Abstract |
hCG産生choriocarcinoma細胞株Jarを用いてレチノ-ル酸のhCG産生を刺激する機序について検討した。1)今までの我々の研究によるとレチノ-ル酸添加後hCHの産生・分泌が増加するまで48時間のtime lagがあることよりレチノ-ル酸がなんらかの蛋白合成を誘導してその蛋白質がレチノ-ル酸の合成を促進すると想像された。この仮説を証明する為に以下の実験を行った。a)レチノ-ル酸添加時間を、1,3,6,12,24時間してその後培養液を除去、細胞をよく洗いさらに培養を続け、培養開始後72時間後に培養液中のhCGを測定した。その結果hCG産生を促進するためにはレチノ-ル酸の添加は48ー72時間続ける必要はなく最低3時間の添加時間で72時間添加してのと同様のhCG産生促進作用をもたらすことが明らかとなった。この結果は上記の仮説を支持するものであり、さらに以下の実験を行った。b)レチノ-ル酸添加と同時に蛋白合成阻害剤であるcycloheximidを添加し3,6,12時間incubateした後,培養液を除去し細胞をよく洗った。更に72時間培養し培養液中のhCGを測定した。その結果、cycloheximideはレチノ-ル酸のhCG分泌促進作用を完全に抑制した。この事実はレチノ-ル酸の分泌(産生)促進作用は、レチノ-ル酸添加後早期に誘導される蛋白質によると考えられた。c)更にレチノ-ル酸の核receptorが甲状腺ホルモンの核receptorのDNA responsive elementに結合するという報告(Evansら、1989)により、甲状腺ホルモンがレチノ-ル酸のhCG産生促進作用に影響を与えるか否かについて検討した。その結果、T_3単独ではhCGの産生をわずかに抑制したが、レチノ-ル酸のhGG産生促進作用は蛋白合成を介していると推測され、また甲状腺ホルモンとは異なるpatbwayで作用すると考えられた。
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