1991 Fiscal Year Annual Research Report
ラット卵巣顆粒膜細胞におけるLipoxygenase代謝産物の産生機序と役割
Project/Area Number |
03670794
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 熊本大学, 医学部, 教授 (20026983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信幸 熊本大学, 医学部, 助手 (80227157)
宮崎 康二 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50145322)
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Keywords | 顆粒膜細胞 / リポキシナ-ゼ代謝産物 / ステロイド合成 / 卵胞発育 / 排卵 |
Research Abstract |
雌未熟ラットをin vivoでdiethylstilboestrol(DES)によってprimingして得られた卵巣顆粒膜細胞には、in vitro培養系においてプロゲステロンを始めとしたステロイド産生は認められるが、lipoxygenase代謝産物であるhydroxyeicosatetraenoic acid(HETE)の産生はみられない。一方、pregnant mare serum gonadotropin(PMSG)によってprimingされた顆粒膜細胞には、in vitro培養系においてステロイド産生およびHETE産生が認められる。このことはDES primingとPMSG primingとでは、得られる顆粒膜細胞の性格、すなわち顆粒膜細胞の分化に相位があることを示唆している。 そこで、次にHETE産生能がいかなる因子によって発現・調節されているかについて検討を加えた。DESによってprimingして得られた顆粒膜細胞をgonadotropinと共にin vitroにおいて培養すると、HETE産生が認められるようになり、この過程はステロイド添加によって影響を受けるとの成績が得られつつある。 さらに、lipoxygenase代謝産物の作用に関しても検討を進めているが、HETEは顆粒膜細胞におけるプロゲステロンの産生を増加させることが明かとなった。 以上の成績からgonadoropinによって刺激された顆粒膜細胞には、ステロイド産生能およびlipoxygenase代謝産物産生能が認められ、この両者による相互作用、すなわちautocrine・paracrine調節機構の存在が示唆される。
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