1992 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時のLH分泌パターンによる視床下部性第二度無月経の病態分類とその臨床的意義
Project/Area Number |
03670796
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
植村 次雄 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (40046040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白須 和裕 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60235843)
水口 弘司 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20010176)
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Keywords | 視床下部性第二度無月経 / ゴナドトロピン律動的分泌 / メラトニン |
Research Abstract |
gonadotropin分泌パターンを日中覚醒時、夜間睡眠時に調べ、視床下部性第二度無月経の重症度分類を試み、その予後及びmelatoninとの関係を検討した。<方法>視床下部性第二度無月経27症例を対象とし、採血は午前0時及び午後0時より4時間にわたり、10分毎の分画で採血した。血中LH,FSHは高感度のimmunofluorometric assayを用いて測定し、血中melatoninは昼間採血開始時の12:00、夜間採血開始時の0:00にRIAで測定した。<結果>(1)LHの分泌パターンをパルス頻度によってパルスの見られないもの(1群)、夜間のみパルスが見られるもの(2群)、夜間はパルスが見られるものの、日中のパルスが少ないもの(3群)、日中、夜間ともにパルスが見られるもの(4群)に分類可能であった。(2)これら4群におけるLH基礎レベル、パルスの振幅は1群、2群、3群、4群の順の増加し、FSH基礎レベル、パルスの振幅もLHとほぼ同様の成績であった。(3)GnRHに対するgonadotropinの反応性は1群から4群に進むに従い良好になる傾向が認められるものの、3、4群でも低反応を示すものもあり、GnRHテストのみでこの病態分類を診断するのは不十分と思はれた。(4)melatonin値は昼間では各群間に差を認めなかったが、夜間では1群で異常高値を示し、2群、3群、4群の順に減少し、夜間LHパルス頻度との間には負の相関を認めた。(4)検査後少なくとも6ヶ月間に病態が改善し、第一度無月経、無排卵周期症となったものは1群で7例中0例、2群で8例中2例、3群で5例中4例、4群で9例中6例であった。<まとめ>昼夜間のLHパルス頻度による本分類は視床下部性第二度無月経の重症度をよく反映し、予後とも密接な関係を示した。GnRHテストでこの病態を診断するのは困難であり、また、この分類にmelatoninが関与している可能性が示唆された。
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[Publications] Uemura T,Yanagisawa T,Shirasu K,Matsuyama A,Minaguchi H: "Mechanisms involved in the pituitary desensitization induced by gonadotropin-releasing hormone agonists" Am J Obstet Gynecol. 167. 283-291 (1992)
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[Publications] 植村 次雄: "性交障害への対応" 産婦実際. 41. 351-354 (1992)
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[Publications] 植村 次雄: "子宮内膜症の治療と骨代謝" 日産婦誌. 44. N107-N110 (1992)
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[Publications] 植村 次雄: "ピルの副作用" 臨産婦. 46. 1104-1106 (1992)
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[Publications] 植村 次雄他: "LH-RH agonist療法時の更年期障害に対する代謝性ホルモン製剤(Metharmon-F錠)の予防効果の検討" 日本不妊会誌. 38. 29-37 (1993)
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[Publications] 植村 次雄他: "肥満妊婦の食事指導" 周産期医学. 22増刊. 99-103 (1992)
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[Publications] Uemura T,Minaguchi H,Okuda K,Sugimoto O: "Advances in the study on GnRH analogues,vol.3,GnRH analogues in obstetrics and gynecology,Ed by Lunnenfeld B" The Parthenon Publishing Group,Lancs, 88-97 (1992)
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[Publications] Hori H,Uemura T,Minaguchi H: "Advances in the study on GnRH analogues,vol.2,The basic science of GnRH analogues,Ed by Lunnenfeld B" The Parthenon publishing Group,Lancs, 85-97 (1992)