1991 Fiscal Year Annual Research Report
DNA Ploidyおよび細胞回転の面よりみた悪性腸瘍の治療効果に関する研究
Project/Area Number |
03670802
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
野田 起一郎 近畿大学, 医学部, 教授 (60088531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋 近畿大学, 医学部, 助手 (80231009)
池田 正典 近畿大学, 医学部, 助教授 (50113147)
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Keywords | 卵巣癌 / 子宮頸癌 / DNA ploidy / 細胞回転 / 化学療法 / 放射線療法 / フロ-サイトメモリ- / 酵素抗体法 |
Research Abstract |
研究目的;放射線療法と化学療法の治療効果に密接に関係すると思われるcell cycleおよびDNA Ploidyについて臨床検体を用い、人細胞のcycling cellに発現のみられるKiー67を酵素抗体法で、DNA Ploidyをflow cytometryで解析し、治療効果との相関を検討することを目的とした。 研究方法;子宮頸癌12例、卵巣癌12例について手術摘出標本材料より癌組識の凍結切片を作成し、病理組識学的所見を確認し,Kiー67抗体を用いたABC法による免疫組識染色を加え、Cycling cellの割合を調べた。また同一材料の組識片よりsingle cell suspensionを作成し、Tween 20,RNass処理の後にpropidium iodideによるDNA染色を加え、FCMを用いてDNA ploidyの検討を行った。 結果;(1)子宮頸癌(大細胞非角化型)12例のうちDNA diploid症例は6例であり、増植相細胞の割合の平均値は16.7±4.5%であった。一方、DNA aneuploid症例6例においてはGFの割合の平均値は37.4±8.3%であり、DNA aneuploid症例において、GFの割合が有意に高かった。(2)卵巣癌(漿液性腺癌)12例ではDNA diploid症例は6例であり、GFの割合の半均値は23.7±6.2%であり、DNA aneuploid症例6例におけるGFの割合の平均値22.4±4.3%と両群間のGFの割合に差は認められなかったが、GFが30%以上であったDNA diploid.DNA aneuploidの各1例は、化学療法は無効で2例とも治療開始後7ケ月で死亡した。今後今回の検討症例の治療効果を解析し、また検討症例数を増やくしていく予定である。
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