1992 Fiscal Year Annual Research Report
新しく分離に扁平上皮癌関連抗原による頭頸部癌の免疫学的研究(その2,臨床応用)
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03670820
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
三宅 浩郷 東海大学, 医学部耳鼻咽喉科, 教授 (60055720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 栄成 東海大学, 医学部耳鼻咽喉科, 助手 (80054039)
山内 進 東海大学, 医療技術短期大学, 助教授 (50166576)
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Keywords | 扁平上皮癌関連抗原 / 株化樹立扁平上皮癌細胞 / 等電点分画 / 免疫組織化学的診断 / 癌の血清学的診断法 / ドットブロット法 |
Research Abstract |
癌の臨床的対応策は,今日なお早期発見と早期治療である。早期発見に関する最重要課題は,特異性と感度に優れた抗体の開発である。 我々が当該年度に掲げた目標は2つある。第1目標は,平成3年度に確立されている株化樹立上咽頭扁平上皮癌細胞より,等電点電気泳動法を用いて扁平上皮癌関連抗原(4分画成分からなる複合体)を単一分画成分に分離し,これらで家兎を免疫し単一分画成分に対する抗体の作製であり,第2目標は,この実験で新しく作製された抗扁平上皮癌関連抗体による臨床応用である。 当該年度の2つの目標は,達成が期待できることを示す成績が集績されつつある。 即ち,単一分画成分抗体は3種類がつくられ,これらの抗体と凍結切片による各種頭頸部癌組織や非癌組織との間接酵素抗体法による成績では,扁平上皮癌組織に対する特異的陽性率が高く、また比較対照用抗血清として用いた市販品の扁平上皮癌診断に有用とされる抗血清類による成績の比較検討でも,我々が作製した抗体が特異性や感度の点でも明らかに優位であった。 臨床応用の第2は,各種stageの癌患者血清を被検材料とした癌の血清学的診断法の確立であるが,Dot-Blot法による予備実験成績は,Blind Testにもかかわらず組織学的診断と高い相関性が示され,また,定量的にも100pgの検出も可能なことから,癌の血清学的早期診断への導入も期待される。 現在,LPIA法による血清学的診断法も平行して進めており、術式の相違と陽性率および検出感度についても検討し,臨床応用への実用化を企図している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山内 進: "上顎癌より分離された扁平上皮癌関連抗原" 臨床免疫. 18. 548-554 (1986)
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[Publications] 山内 進: "子宮頸癌発生過程における新しい扁平上皮癌関連抗原の発現に関する免疫組織化学的研究" 日産婦誌. 43. 73-79 (1990)
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[Publications] 三宅 浩郷: "頭頸部癌の免疫療法" 8. 1-4 (1990)
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[Publications] 三宅 浩郷: "上顎癌の治療をめぐる諸問題" 港北出版印刷, 194 (1984)