1991 Fiscal Year Annual Research Report
含気蜂巣抑制に伴う周囲組織と中耳腔との位置関係について(動物実験的研究)
Project/Area Number |
03670821
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
青木 和博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10130139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江崎 史朗 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40147286)
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Keywords | 中耳含気腔 / 乳様突起 / 含気腔上皮 / 骨皮質 / 骨膜下骨代謝層 / 上皮下骨代謝層 |
Research Abstract |
生後1週間以内のミニ豚4頭を使用し、生後1週目、1カ月、2カ月、3カ月のそれぞれの時点でネンブタ-ル麻酔下に経外耳道的に鼓膜を穿通して左中耳腔内に流動パラフィンを注入し、抗生物質等の使用は行わずにそのまま放置した。反対側(右)はコントロ-ルとして保存し、その後通常に飼育して生後6カ月の時点で全頭断頭した。現在エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)で脱灰中であり、組織標本の作成はまだである。 1)断頭後鼓膜を観察するに、全例で処置側に残存鼓膜の発赤・肥厚と穿孔を認め、このうち生後3カ月目で処置を行った症例では膿性の耳漏を認めた。全例で慢性の中耳炎状態であったと推測され、中耳含気腔内の継続した炎症病態を作成する目的は達せられたと考える。反対側(コントロ-ル側)の鼓膜は発赤や穿孔も認めず、全く正常な状態であった。 2)肉眼的に豚側頭骨の乳様突起表面を観察するに、コントロ-ル側と比較し骨表面の色調は明らかに白色を帯び、乳様突起表面軟部組織の血流低下が強く推測された。 3)乳様突起そのものの発育程度は、頭蓋底よりの計測でコントロ-ル側と比較してやや短い様な印象を受けるが、正確には内耳の蝸牛先端を始点として長径を計測するため乳様突起の割面作成後に計測する予定である。 4)EDTAにて脱灰終了後、HE染色、マッソントリクロ-ル染色にて標本を作成し、含気腔上皮の状態、上皮下の骨代謝層、骨皮質および外側の乳様突起表面骨膜の状態、骨膜下骨代謝層について観察予定である。
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