1991 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線による網膜障害と新生血管黄斑症との関連の解明
Project/Area Number |
03670839
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山岸 和矢 関西医科大学, 医学部, 講師 (90174599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 基麿 関西医科大学, 医学部, 助手 (40164199)
高田 百合子 関西医科大学, 医学部, 助手 (80216663)
湖崎 淳 関西医科大学, 医学部, 助手 (80225416)
|
Keywords | 網膜光素性 / 網膜色素上皮 / 蛍光眼底撮影 |
Research Abstract |
1.本年度の目的 有色家兎に短波長の光を照射し、光による網膜への影響を調べる。 2.方法 体重約2kgの有色家兎にキセノン光を120分間照射した。このとき家兎の角膜に後極部用コンタクトレンズを装着し、キセノン光が集光し網膜が光凝固されないようにした。さらに、コンタクトレンズの前に赤外線(熱)吸収フィルタ-を設置し、照射される光の長波長成分を吸収し、角膜や網膜が受ける熱の影響をできるだけ少なくなるようにした。光照射後、経時的に蛍光眼底撮影を行い網膜、脈絡膜の状態を観察した。さらに、各時期(照射後2日、6日、14日、30日目)の組織を光顕、電顕的に観察した。 3.結果 照射後2日目の蛍光眼底所見は、網膜色素上皮のびまん性の障害を表す過蛍光を示した。しかし、蛍光色素の漏出はなかった。6日目になると周囲より網膜色素上皮が再生しはじめた。14日目、30日目になると、びまん性の過蛍光はなくなり過蛍光と低蛍光が混在していた。この時期の網膜を光顕的に観察すると、視細外節の短縮と脱落、網膜色素上皮細胞の偏平化と重層がみられた。この所見は光による熱凝固の所見とは異なり短波長による光毒性が示唆された。2日目、6日目の組織学的所見については現在観察中である。
|