1991 Fiscal Year Annual Research Report
口腔バクテロイデス菌の分子遺伝学的研究システムの開発
Project/Area Number |
03670848
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 浩次 九州大学, 歯学部, 助教授 (80150473)
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Keywords | バクテロイデス / 歯周病 / 分子遺伝学 / ス-パ-オキシド ジスムタ-ゼ |
Research Abstract |
腸内バクテロイデス菌と大腸菌とのシャトルベクタ-であるpVALー1プラスミドおよび伝達性プラスミドR751をもつ大腸菌と口腔バクテロイデス菌の1つPorphyromonas(Bacteroides)gingivalisの数株との接合伝達実験を行った。その結果、いくつかのP.gingivalis株からはpVALー1プラスミドのマ-カ-であるエリスロマイシン耐性をしめすコロニ-が出現したが、薬剤耐性の形質が不安定であり、現在のところ、それらがはたしてpVALー1が導入されたものか否かの確認ができていない。また、その頻度も、コントロ-ルとして行った腸内バクテロイデス菌B.thetaiotaomicronへの導入頻度に比べて10^<-3>から10^<-4>程度であった。 今後は、導入方法の改善を行うとともに、すでにクロ-ニングしているP.gingivalisのス-パ-オキシドジスムタ-ゼ遺伝子(sod)内に薬剤耐性遺伝子を導入したDNA断片を用いて、P.gingivalis染色体上のsod遺伝子の遺伝子破壊を計画している。プラスミドの不安定性はこの実験においては有利にはたらくものとおもわれる。 一方、腸内バクテロイデス菌のプラスミドが口腔バクテロイデス菌内で複製するためにはそれら菌種間の類緑性が問題になる。われわれは、腸内バクテロイデス菌B.fragilisより新たにsod遺伝子を単離し、その塩基配列を決定した。P.gingivalis sod遺伝子と比較解析した結果、両者は近緑種であることを発見した。
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