1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液腺腺癌細胞が産生する骨形成因子と骨誘導に関する研究
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03670851
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
畠山 節子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (70048495)
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Keywords | BMP / レチノイン酸 / 骨誘導 / 多形性腺腫 / 免疫組織化学 / 軟骨誘導 / ノーザンブロット / ウェスタンブロット |
Research Abstract |
【.encircled1.】HSG-S8においてBMP-2mRNAのシグナルはレチノイン酸処理(1muM,6-24時間incubation)で顕著に増強することが既に判明していたが、さらに今年度はcell lysateとコンデッションド培地中のBMP-2タンパク質をウェスタンブロットで検索した。培養上清には10mlあたり酢酸を1ml加え、Varian社のC8カラムで脱塩、濃縮乾燥後、サンプルバッファーを加えSDS-PAGEを行った。細胞にはサンプルバッファーを加えSDS-PAGEを行った。次に抗BMP-2抗体で免疫染色を行った。その結果、cell lysateとコンデッションド培地中の両方でBMP-2はレチノイン酸処理(1muM,48時間)によって約5倍に増加し、レチノイン酸はBMP-2の遺伝子発現をmRNAとタンパク質レベルで上昇させることが、明らかになった。 活性型ビタミンD_3の作用についてはHSG-S8細胞の増殖を軽度に抑制するが(対照の79%)、BMP-2mRNA発現に対する効果はなお検討中である。インスリンはHSG-S8細胞の増殖を促進するとともにBMP-2mRNAの発現も増強した。 【.encircled2.】口腔諸組織とくに歯胚を含む顎骨と唾液腺のBMPの免疫組織化学的検討では昨年度作製した抗BMP-2およびBMP-3抗体とGenetics Instituteから供与された抗BMP-2抗体のいずれも陽性所見を示さなかった。自家製の抗体は抗体価が弱いため、あるいは供与された抗体は減弱したためと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hatakeyama Setsuko: "Immunohistochemical localization of bone morphogenetic proteins (BMPs) in salivary gland pleomorphic adenoma" J.Oral Pathol.& Med.(in press). (1994)
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[Publications] 畠山節子: "上皮性腫瘍による異所性の骨と軟骨の誘導" 岩医大歯誌. 18. 181-188 (1993)
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[Publications] 畠山節子: "唾液腺の多形性腺腫における骨形成因子の免疫組織化学的局在の検索" 歯基礎誌. 35(補). 168 (1993)
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[Publications] Hatakeyama Setsuko: "Expression of bone morphogenetic protein in human adenocarcinoma cell line" Biochem.Biophys.Res.Commun.190. 695-701 (1993)