1991 Fiscal Year Annual Research Report
Bacteroides属LPSの免疫生物活性発現機序に関する研究
Project/Area Number |
03670855
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
梅本 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20067036)
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Keywords | Bacteroides / LPS / 化学構造 / KDOーリン酸 |
Research Abstract |
Bacteroides属細菌のLPSはLPS低応答性マウスの細胞に対しても高い生物活性を示すのが特徴的であり、その活性と歯周病原性との関連性が注目されている。 本研究ではBacteroides属LPSの活性発現機序を明らかにする目的で、Bacteroides属5菌種からフェノ-ル-水法によりLPSを分離精製し、その化学構造について検討を行い、以下の結果を得た。 1、Bacteroides属LPSの共通構成糖は、ラムノ-ス、マンノ-ス、ガラクト-ス、グルコ-スおよびグルコサミンであるが、B.intermediusとB.melaninogenicusからはフコ-ス、B.gingivalis,B.i,B.mからはガラクトサミンが検出された。 2.いずれのLPSからも従来の報告どおりヘプト-スは検出されず、弱酸加水分解による常法の比色分析ではKDOもB.mのみからしか検出されなかった。 3.B.g,B.iおよびB.fragilis LPSを強酸加水分解(3N HCl 40分間)することにより,チオバルビタ-ル(TBA)反応陽性物値が検出され、アルカリホスファタ-ゼ処理後の高圧洋紙電気泳動パタ-ンからKDOーリン酸であることが示唆された。 4.B.g LPSの内部コア多糖部分の構造解析を行う為、さまざまな化学処理を行って得られた誘導体をGLC/MSにより分析した結果、B.gのLP中に存在するKDOは1分子のみであり、C5位にコア多糖が結合し、C7位またはC8位のいずれかにリン酸基が結合していることが明らかになった。
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