1992 Fiscal Year Annual Research Report
Bacteroides属LPSの免疫生物活性発現機序に関する研究
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03670855
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
梅本 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20067036)
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Keywords | Bacteroides / LPS / リピドA / 化学構造 / リンパ球への結合性 |
Research Abstract |
今年度の研究ではLPSの免疫生物活性を担っているリピドA部分の構造について検討した。 リピドAの単離はLPSを5%酢酸で100℃2時間処理後クロロホルム/メタノール(3:1)抽出により行った。構造解析の為の脱O-アシル化は弱ヒドラジン分解で、アミド結合脂肪酸の切断は強ヒドラジン分解で行い、全メチル化は箱守法により行った。リピドA画分および得られた誘導体の分析はFab-MSにより行った。その結果、Porphyromonas(Bacteroides) gingivalisのリピドA中の構成脂肪酸は、3-OHisoC17:0が主で、他にC16:0,iso C15:0および3-OHC16:0が検出された。またグルコサミンとリン酸はそれぞれ17%と3.1%含まれていた。リピドA画分のFab-MSにおいてはグルコサミンジサッカライドおよびモノサッカライドが検出され、それぞれに異る脂肪酸との結合の可能性が示唆された。リピドAの骨格構造を調べるためにLPSを脱O-アシル化後弱酸加水分解を行ってFab-MSで調べたところ、3、3'位のアミノ基に3-OHisoC17:0が結合したグルコサミンジサッカライドに相当するm/z878[M+H]+およびm/z900[M+Na]+が検出された。さらにメチル化した誘導体をGLC/MSにより分析した結果、β(1-6)グルコサミンジサッカライドが検出された。 今回の実験条件でリピドAの単離が可能であつたことから従来不明であったBacteroides属のリピドA構造の一部を明らかにすることが出来た。現在得られた結果から推定できるP.gingivalisのリピドAの構造は、構成脂肪酸の種類とリン酸の結合位置が腸内細菌型のLPSと異ってはいるものの、特に細胞への結合様式に影響を与えるものとは考えられない。事実、C3H/HeJマウスの脾細胞に対するB-LPSとE-LPSの結合性をフローサイトメーターを用いて比較したところ、同様の結合性を示すことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kumada H.,Haishima Y.Kondo S.,Uememoto T.,Hisatsune K.,: "Occurrence of 2-Keto-3-Deoxyoctonate(KDO) and KDO phosphate in Lipopolysaccharide of Bacteroides species" Current Microbiology. 26. (1993)
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[Publications] Kumada H.,Kondo S.,Umemoto T.,Hisatsune K.,: "Chemical structure of the KDO region of lipopolysaccharide isolated from Porphyromonas(Bacteroides) gingivalis" FEMS Microbiology Letters. (1993)