1992 Fiscal Year Annual Research Report
コレキストニン類似物質,セルレタイドの唾液分泌調節機構への関与
Project/Area Number |
03670870
|
Research Institution | IWATE MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 忠信 岩手医科大学, 歯学部歯科薬理学, 教授 (00048274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 弘子 岩手医科大学, 歯学部歯科薬理学, 助手 (30124902)
村井 繁夫 岩手医科大学, 歯学部歯科薬理学, 助教授 (70005057)
|
Keywords | セルレタイド / CCK-8 / 唾液腺 / 唾液分泌 / 唾液分泌調節 / ペプタイド / 自律神経作用薬 / マウス |
Research Abstract |
消化管ホルモンとして知られているペプチドが中枢神経系に広く分布していることが知られている。これらは中枢および末梢に於て、神経伝達物質として、また修飾物質としての役割を有するかも知れないことが示唆されている。ペプチドホルモンの唾液分泌調節機構に対する役割については、現在、全く不明である。本研究ではコレキストキニン類似物質であるセルレタイド(CER)の唾液分泌機構への影響を自律神経薬との関り合いに於て、コレキストキニン(CCK-8)と比較検討した。 実験にはddY雄性マウス(25-30g)を1群10匹として用いた。CER(0.4,4,40μg/kg)およびCCK-8(5,50,500μg/kg)は、催唾剤投与の30分または60分前に投与した。催唾剤としては副交感神経作動薬のピロカルピン(Pil0.8mg/kg)、交感神経作動薬のフェニレフリン(Phe5mg/kg)、クロニジン(Clo5mg/kg)、ドブタミン(Dob10mg/kg)、サルブタモール(Sal10mg/kg)を用いた。なお拮抗薬として、前者に対してはアトロピン(Atr2μg/kg)、後者に対してはメトプロロール(Met20μg/kg)を、CCK-8に対してはプログルミド(Pro100mg/kg)を用いた。唾液分泌量の測定は当教室で改良した方法を用い、催唾剤投与直後から10分毎に、90分間にわたって行った。CERおよびCCK-8の単独投与では、麻酔下、無麻酔下においても唾液分泌促進作用は認められなかった。Pil誘導唾液分泌反応はCERは影響を与えなかったが、CCK-8は増大し、この増大はAtrで抑制された。CERおよびCCK-8はPheおよびClo誘導唾液分泌反応には影響を与えなかった。CERはDobやSalによる誘導唾液分泌反応を有意に増大し、この増大は前者はMetで抑制されたが、後者はButで抑制されなかった。このようなことはProでも同様であった。以上のことから、CERはマウスに於て、自律神経系に関与して唾液分泌反応を増大する方向に作用することが示唆される。
|