1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯牙温度刺激に対する下歯槽神経ユニットの応答と誘発歯髄感覚の研究
Project/Area Number |
03670875
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Research Institution | Nihon university |
Principal Investigator |
角野 隆二 日本大学, 歯学部, 教授 (40014378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 助手 (60160115)
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Keywords | ヒト / 歯髄 / 温度刺激 / 誘発感覚 / 下歯槽神経 / 単一ユニット / 刺激間隔 |
Research Abstract |
歯牙を温度刺激すると、なにか感じる(レベル0)、明らかに感覚は誘発されているが痛覚ではない(レベル2)、軽度の痛み(レベル3)、中度の痛み(レベル4)、耐えられない痛み(レベル5)が誘発される。ユニット応答と誘発感覚との関係を見ると、熱刺激を与えた場合には、誘発感覚とユニットのスパイク頻度とは正の相関を示していたが、冷刺激においては相関は認められなかった。また、今回得られた多くのユニットは、熱および冷の両刺激に応答していた。これは、温度刺激により誘発される歯髄感覚が、Hydro‐dynamic theoryにしたがっていることを示唆している。歯牙を繰り返し熱刺激すると、低閾値ユニット(痛覚閾値以下の刺激強度で発火するもの)はISI180(刺激間隔180秒)の時には2回目の刺激により、明らかなスパイク数の減少が認められたのに対し、誘発感覚は変化を示さなかった。これに対し、ISI30(刺激間隔30秒)の時には、Background activityの増加が認められたが、ピークスパイク頻度は明らかな変化を示さなかった。また、誘発感覚も1回目および2回目で大きな変化を認めなかった。一方、高閾値ユニット(痛覚閾値以上の刺激強度で発火するもの)においては、ISI180の時に、スパイク数および誘発感覚とも明らかに増加していた。これに対し、ISI30の場合には、スパイク数および誘発感覚ともに減少していた。また、低閾値ユニットは、痛覚誘発閾値以上の強い刺激を繰り返し与えると、スパイク頻度は減少したが、ISI30の時には、誘発感覚およびスパイク数とも減少していた。減少率を見ると、高閾値ユニットの方が大きな影響を受けていた。これは、歯髄内の受容器が刺激される場合、皮膚のように受容器が直接温度刺激によって興奮されるのではなく、象牙細管内を流れる組織液を介して、歯髄内のレセプターが間接的に刺激されるために起こったことを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koichi Iwata: "Comparisons of the sensation perceived and intiadental nerve activity following temperature changes in human teeth." Exp. Brain Res.87. 213-217 (1991)
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[Publications] Yoshiyuki Tsuboi: "Jaw and orofacial motor representation in cat orbital gyrus." Jap. J. Oral Biol.33. 592-599 (1991)
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[Publications] 村松 裕之: "ネコSIに分布する顎関節駆動ニューロンの受動的下顎下制に対する応答性" 歯基礎誌. 33. 245-260 (1991)
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[Publications] Koichi Iwata: "Morphology of tooth pulp‐driver neurons in areas 3a and 3b." Pain Research. 7. 59-69 (1992)
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[Publications] 角野 隆二: "痛み、特に歯痛の2つの局面" 日本歯科心身医学会雑誌. 6. 163-165 (1991)
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[Publications] Koichi Iwata: "Processing and Inhibition of Nociceptive Information" Excerpta Medica, 273 (1992)