1991 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ幼者エナメル質の形成初期に含まれるエナメルタンパクの分解について
Project/Area Number |
03670880
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
深江 允 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (40064373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 孝子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00089393)
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Keywords | ブタ幼若エナメル質 / 25kDアメロゲニン / 89kDエナメリン / 76kdプロテア-ゼ |
Research Abstract |
エナメル質の初期の石灰化を解明するために、試料としてブタの永久歯歯胚を使用し、その基質形成期の幼若エナメル質の表面から安全カミソリを使って表層30ミクロンを集めた。これはエナメル芽細胞が基質を形成してあまり時間が経過していない試料と考えられるが、この段階で既にアメロゲニンの最初の変化が起こっていることが観察され、さらに非アメロゲニン、エナメリンタンパクの分解も観察された。又、この試料には既に報告してきた30kD,34kDのセリンプロテア-ゼとは分子量の違う二つのプロテア-ゼが存在することを明らかにしてきた。 今回は、これらの高分子のプロテア-ゼを硫安分画に続いてヒドロキシアパタイトのカラムによるHPLCで分離し、これらがゲラチンを基質にしたザイモグラフィの方法によって、中性領域に活性があり、ベンザミジンには阻害されるが、PMSF,EDTA,ヨ-ドアセトアミドに部分的に阻害されるプロテア-ゼである事を示した。又、これらのプロテア-ゼが中性で25kDのアメロゲニンのC末端側のペプチドの切断に間与している事を明らかにした。 幼若エナメル質の石灰化にはアメロゲニンよりもエナメリンが重要な働きをしていると考えているが、ブタの89kDのエナメリンは、それがオリジナルであるのか、又、単一の成分なのか等の問題があり、まだ精製に成功していない。精製が不完全であるが予備的実験として89kDのエナメリンを基質として幼若エナメル質の表層から分離した76kDのプロテア-ゼを作用させると分解が起こる事がわかった。エナメル質の初期の石灰化を考える上でこのタンパクがリン酸化しているあるいはシアル酸を含んでいる事が明らかになりつつあるので、このタンパクの性質、プロテア-ゼに対する分解様式、その分解産物の同定、幼若エナメル質中の局在等を調べる事が重要と考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Tanabe,M.Fukae,T.Uchida and M.Shimizu: "The Localization and characterization of proteinases for the initial cleavage of porcine amelogenin." Calcif.Tissue Int.(1992)
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[Publications] T.Uchida,T.Tanabe,M.Fukae and M.Shimizu: "Immunocytochemical and immunochemical detection of a 32 kD nonamelogenin and related proteins in porcine tooth germs." Arch.Histol.Cytol.54. 527-538 (1991)
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[Publications] H.Akita,M.Fukae,S.Shimoda and T.Aoba: "Localization of glycosylated matrix Proteins in secretory porcine enamel and their possible functional roles in enamel mineralization." Arch.oral Biol.(1992)