1991 Fiscal Year Annual Research Report
災症時のコラ-ゲン分解における好中球エラスタ-ゼの関与
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03670881
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
早川 太郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80064822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 京子 愛知学院大学, 歯学部, 助手
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Keywords | マトリックスメタロプロテア-ゼ / TIMPー1 / 間質型コラゲナ-ゼ / 72ーKDaゼラチナ-ゼ / N型コラゲナ-ゼ / ストロムライシン / 好中球エラスタ-ゼ |
Research Abstract |
ヒト皮膚線維芽細胞の無血清培養液から間質型コラゲナ-ゼとTIMPー1を精製した。ついで、TIMPー1がやゝ過剰になるように両者を混合し、複合体を形成していることをZnキレ-トカラムで確認した後、好中球エラスタ-ゼ処理前後で、間質型コラ-ゲナ-ゼ活性を測定した。コラゲナ-ゼ活性の測定は^<14>Cーコラ-ゲンを基質に用いるTeratoらの方法によった。その結果、TIMPー1との複合体の形成によって完全に阻害されていたコラゲナ-ゼ活性が、エラナタ-ゼ処理によって82.6%回復することが分った。また、TIMPー1の76.0%がエラスタ-ゼ処理後もサンドイッチ酵素免疫測定で検出された。このことは、複合体を形成しているTIMPー1も遊離のTIMPー1と同じようにほゞ中央の1ヶ所で切断され「FEBS Lett 229 157 1988)、SS結合を保持したまゝ無傷なTIMPー1とほゞ同じようなコンホメ-ションを保持しているのではないかと考えられる。上述のコラゲナ-ゼの他に、同じくヒト皮膚線維芽細胞無血清培養液から精製した72kDaゼラチナ-ゼ/IV型コラ-ゲナ-ゼおよびストロムライシンを用いて、同じようにTIMPー1との複合体を形成し、エラスタ-ゼ処理を行ったところ、ゼラチナ-ゼの場合74%、ストロムライシンの場合62%の再活性が認められた。これらの事実は、これまで最終的な“安全装置"と考えられてきたTIMPー1による活性型MMPの複合体形成による阻害が、実は最終的なものではなくて、好中球エラスタ-ゼによって再活性化される可能性を示唆したもので、災症の再燃機構に係わっているのではないかと考えられる。
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Research Products
(1 results)