1991 Fiscal Year Annual Research Report
老齢化の指標となる交感神経性受容体依存性タンパク質の精製と生理機能
Project/Area Number |
03670884
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
阿部 公生 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70076016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浦 利博 福岡歯科大学, 歯科部, 助手 (40140868)
石橋 一成 福岡歯科大学, 歯科部, 助手 (50122768)
羽生 哲也 福岡歯科大科, 歯学部, 教授 (80067008)
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Keywords | Ageing / Autonomic receptor / Salivary Gland / Saliva protein / Amino acid composition / Rat and mouse(MRL / Ipr) / Postーtranslational change / Protein alteration |
Research Abstract |
3種類のフェノ-ルアミンを刺激薬に用いるので,先ずチラミン,オクトパミン,ノルフェニレフリン作用を明らかにする必要があり,検討を行った。チラミンとオクトパミンは最少投与量では交感神経性B_1ーレセプタ-を刺激したが,その他の投与量では3種類のアゴニストはすべて交感神経性α_1ーレセプタ-を刺激した。また,チラミンは偽りの神経伝達物質であることが明らかになったが,オクトパミンとノルフェニレフリンはカテコ-ルアミンの前駆体の可能性をもつことが明らかになった。これの成績は外国誌に3つと国内誌に1つ投稿中である。一方,老齢化の指標になる交感神経性β_1ーレセプタ-依存性のタンパク質は分離・精製が完了した。また,アミノ酸組成も明らかにすることができた。このタンパク質は酸性アミノ酸や中性アミノ酸のThr,Leu,Valが多く,含硫アミノ酸や塩基性アミノ酸のHis,Argが少ない酸性(pI4.05)の低分子量(M.W.16000)タンパク質であった。このタンパク質はpI4.05付近の3〜4つのバンドと共通抗原性を示した。翻訳後修飾の可能性は検出できていない。また,顎下腺の腺房細胞にのみ限局し,舌下腺,耳下腺あるいはその他の組織には存在しない成分であった。生後1年前後で現われ,労齢化とともに増量するタンパク質である。現在,多数の15〜19月齢雌雄ラットを準備中である。それからさらに,老齢ラットを準備する片わら,約30週齢のLife spanをもつ免疫異常のMRL/1pr雄マウスの各週齢の唾液腺および唾液を採取し,組織学的・生化学的に検討している。MRL/1prマウスではリンパ系器官である胸腺,脾臓およびリンパ節などが老齢化に伴い10〜100%倍に増生する。このような状況下で,唾液腺は多数のリンパ球の浸潤を受ける。耳下腺は加齢ささもに肥大するが,顎下腺は萎縮する。BALB/cマウスを対照に顎下腺唾液タンパク質の老齢化変化を検討し,興味ある結果を得ている。来年度の継続課題である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Okina,A.,Hidaka,S.,Tashiro,M.and Abe,K.: "The effects of tyramine on salivary flow rate and protein secretion by the submandibular glands of rats" Journal of Dental Research. 71. (1992)
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[Publications] Okina,A.,Abe,K.,Inuzuka,H.,Yano,T.,Okinawa,T.,Nishiura,T.: "The effects of m-octopamine on salivary flow rates and protein secretion by the submandibular glands of rats" Comparative Biochemisty & Physiology. 100C. (1992)
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[Publications] Okina,A.,Abe,K.,Tashiro,M.Ishibashi,K.: "The effects of p-octopamine on salivary flow rates and protein secretion by the submandibular glands of rats" Journal of Dental Research. 71. (1992)
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[Publications] 矢野 匡,翁 淳仁,阿部 公生: "免疫異常の全身に及ぼす作用ー特にリンパ系器官と唾液腺についてー" 福岡歯科大学雑誌. 18. (1992)