1993 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質石灰化過程におけるオステオポンティンの生合成とその遺伝子発現に関する研究
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03670893
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Research Institution | The University of Tokushima, University of Dental Hospital |
Principal Investigator |
永田 俊彦 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10127847)
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Keywords | 象牙質 / 歯髄 / オステオポンティン / 石灰化 / タンパク質 |
Research Abstract |
ラット歯髄由来株化細胞であるRPC-C2A細胞を用いて、この細胞がオステオポンティン(OPN)の遺伝子を発現しているかどうか、また活性型ビタミンD_3の一つである1.25-ジヒドロキシビタミンD_3(1.25D_3)によってその発現が制御されているかどうかを追究した。通法に従って培養したRPC-C2A細胞から全RNAを抽出し、アガロースゲル電気泳動によって分離した後、ノーザンブロット分析を行った。プローブとして[^<32>P]標識OPNcDNAを用いた。その結果、RPC-C2A細胞は約1.5kbのOPNmRNAを発現していることが明らかとなった。これは、骨や腎臓で認められるOPNmRNAのサイズと類似していた。次に培地に1.25D_3を添加した場合のOPNmRNA発現に及ぼす影響を調べた。1.25D_3は、10^<-9>〜10^<-7>Mで濃度依存的にOPNmRNAの発現を増強するとともに、添加後48時間まで、時間の経過とともに発現を促進した。また1.25D_3が蛋白レベルにおいても作用しているかどうかを調べた結果、[^<32>PO_4]標識OPNおよび[^<35>S]メチオニン標識OPNのいずれもが、1.25D_3の添加によって有意に上昇していた。これらの結果は、活性型ビタミンD_3が歯髄OPNの発現をmRNAレベルで制御することによってOPN蛋白の合成を促進したことを示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mika Yokota: "Clonal dental pulp cells (RDP4-1,RPC-C2A) synthesize and secrete osteopontin (SPP1,2ar)." Biochemical Biophysical Research Communications. 189. 892-898 (1992)
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[Publications] Toshihiko Nagata: "1α,25-Dihydroxyvitamin D_3 stimulates osteopontin expression in rat clonal dental pulp cells." Archives of Oral Biology. (印刷中).