1991 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロ-ナル抗体や酵素活性を応用した破骨細胞の起源の解明に関する組識学的研究
Project/Area Number |
03670896
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤峰 昭文 九州大学, 歯学部, 助教授 (00117053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 龍誠 九州大学, 歯学部, 助手 (20205008)
相田 宜利 九州大学, 歯学部, 助手 (10127954)
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Keywords | 体外免疫法 / 破骨細胞 / モノクロ-ナル抗体 |
Research Abstract |
体外免疫法によるモノクロ-ナル抗体の作製は通常の生体免疫法に比べ、少量の抗原で短期間に行えるうえ、生体にとって致命的な抗体の作製が可能である点など、種々の利点を有している。一方、骨吸収機構ならびに破骨細胞の起源とその分化過程についてはなお未解決な点が多く残されている。そこで破骨細胞に関する特異的な抗原を作製することは、これらの点を解明するのに有効な手段であると考えられる。抗原としては副甲状腺を同系ラット頭頂部皮下へ移植後、2日目に破骨細胞が多数、出現している時期の組識を用いた。 Balb/cマウスより得た脾細胞をラット頭頂骨組識のホモジネ-トとともに4日間、培養した。そして骨髄腫細胞とポリエチレングリコ-ル下で融合させた。モノクロ-ナル抗体のスクリ-ニングは蛍光抗体法によって行った。その結果、三種類のモノクロ-ナル抗体を得た。 1)AOK13B4抗体は破骨細胞と肥満細胞の顆粒に陽性であった。このモノクロ-ナル抗体によって認識された抗原はウェスタンブロッティング解析により、分子量45KDのポリペプチドであることが分かった。 2)AOK2B3抗体は破骨細胞の核、単核細胞と骨細管に反応を示した。 3)AOK2A2抗体は破骨細胞、肥満細胞の顆粒、そして骨細管に反応を示した。これらのモノクロ-ナル抗体のクラスは全て1gMであった。 また、ラットの骨髄細胞に活性型ビタミンD_3を添加して培養すると多数の破骨細胞様細胞が形成される。この系を利用して体外免疫法により破骨細胞に対するモノクロ-ナル抗体を作製した。その結果、活性化時期の破骨細胞の刷子緑部に強く反応する特異的なモノクロ-ナル抗体が得られた。 これらのモノクロ-ナル抗体によって認識された抗原の特性と他の有益なモノクロ-ナル抗体の作製を続行中である。
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