1991 Fiscal Year Annual Research Report
光透過型コンポジットレジンマトリックス材の新規開発と臨床応用に関する研究
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03670902
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
加藤 喜郎 日本歯科大学, 新潟歯科部, 教授 (20060452)
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Keywords | コンポジトレジン修復 / マトリックス材の開発 / 分離材の開発 / 窩洞愼塞条件 / マトリックス厚径の影響 / 光照射時間の影響 / ヌ-プ硬さ / 臨床使用条件 |
Research Abstract |
本研究では、前歯、臼歯部のコンポジットレジン修復にユニバ-サルに応用しうるマトリックスシステムを開発し、諸性能について検討した。 1.光透過型コンポジットレジンマトリックス材の開発:本マトリックス材は有機質フィラ-含有シングルペ-ストタイプの可視光線重合型コンポジットレジンであり、重合前は半透明であるが、硬化すると若干の弾性を有する透明な硬化物となり、修復用コンポジットレジンを重合させるのに必要な可視光線を透過し得るマトリックスとなる。2.分離材の開発:歯面およびコンポジットレジン修復物とマトリックス材との分離効果を有するポリマ-系、トルエン系、アルギン酸系の分離材について、乾燥時間・歯面・修復用コンポジットとの分離性、圧子内面のSEM観察などから相互比較した結果、総合的にポリマ-系分離材で良好な成績が得られた。3.可視光線コンポジットレジンの填塞条件とヌ-プ硬さ:午前歯に椀型窩洞φ4.0mm、深さ2.5mmを形成し、5種類の条件で填塞硬化後、窩洞中軸部で縦断し表層から深層に向かって8点のヌ-プ硬さを測定(n=5)し、マトリックスの有無と光照射時間の影響について検討した。その結果、1)填塞条件にかかわらず類似の傾向を示し、40秒間照射すればマトリックス使用によるヌ-プ硬さの低下が無いこと、2)予備重合20秒間では平均10%ぐらいの硬さの低下が有ることが判った。4.マトリックス厚径、可視光線照射時間とヌ-プ硬さ:1)ヌ-プ硬さは照射時間が長くなると増加し、両者間に相関が認められ、回帰式(0.025)はy=18.9+0.6xであった。2)マトリックス厚径が増すと硬さが減少し、両者間にも相関を認めた。回帰式(0.025)はy=45.9一4.4xであった。3)厚径1.0mm、照射40秒間で最高値を示し、臨床使用にあたっては、この条件での使用が適することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤 喜郎: "臼歯部における接着性審美修復の実践/最近の歯科修復材料" 歯学. 74. 1146-1155 (1991)
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[Publications] 加藤 喜郎: "可視光線重合型マトリックス材による新しいコンポジットレジン修復(第一報)マトリックス材の開発と修復物の硬化特性" 日本歯科保存学雑誌. 35. (1992)
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[Publications] 加藤 喜郎: "可視光線重合型マトリックス材による新しいコンポジットレジン修復(第二報)臨床応用について" 日本歯科保存学雑誌. 35. (1992)