1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670919
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
太田 道雄 九州大学, 歯学部, 教授 (30037824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 雅晴 九州大学, 歯学部, 助手 (80172279)
白石 孝信 九州大学, 歯学部, 講師 (10150468)
松家 茂樹 九州大学, 歯学部, 助教授 (00108755)
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Keywords | 歯科修復用金属 / 等原子比AuCu合金 / 常温時効硬化性 / AuCu-Ga・合金 / AuCu-Al合金 |
Research Abstract |
本研究の目的は、耐食性の立場から有利な単相組織を持ち、しかも煩雑な熱処理を必要とせず、口腔内で時間の経過とともに強度の増大する常温時効硬化性歯科修復用合金を開発することである。 昨年度は、等原子比AuCu合金に規則化の促進が期待される元素として低融点のAl,Ga,Znを、また規則化の抑制が考えられる元素として高融点のPd,Niを3または6at%添加した合金について、37℃で時効したときの100日までの硬さの変化を測定した。その結果、Ga、Al、Znの添加は常温時効硬化性を促進し、NiやPdの添加は抑制すること、6at%Ga添加合金では1日の時効で硬さが2倍にもなること、鋳造試料でも700℃で2〜4分の溶体化処理を施せば十分な常温時効硬化性を発揮すること等が明かとなった。 本年度は、常温時効硬化速度を支配する因子を明らかにする目的で、(1)常温時効硬化性の小さい合金に対する予備時効の効果、および(2)合金の融点と常温時効硬化速度の関係について調べた。 得られた主な結果は次の通りである。 1 常温時効硬化速度の小さいAuCu 6at%Pd合金を室温から70℃まで昇温加熱した後時効しても、硬化速度の変化はなかった。このことから硬化速度を支配しているのは核生成の困難さではないといえる。 2 合金の融点(固相点)が低いほど常温時効硬化性が大きい。 3 Sn、Inなど融点が低くても、原子空孔と結合しやすい元素の添加は、拡散を抑制するために常温時効硬化性を低下させる。
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