1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670936
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柴田 考典 山形大学, 医学部, 講師 (60147220)
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Keywords | 顎関節円板 / 関節円板前方転位 / 応力解析 / 非線形有限要素法解析 / 転位関節円板変形 |
Research Abstract |
顎関節症患のうち顎関節部を中心とする疼痛、顎運動異常および関節雑音を呈する顎関節症が高い発生頻度を示し、その中でも顎関節円板の転位を示す顎関節内障が顎関節症全体の半数以上を占めることが漸次明らかとなっている。転位した顎関節円板は、開口など顎運動に際し、応力を受け、形態的および病理学的変化をきたすことが知られている。しかし、転位した顎関節円板が顎運動に際し、いかなる負荷を受け、どのような応力分布を示すか全く明らかにされていない。そこで上下顎関節腔造影同時多層エックス線写真から再構成された転位顎関節円板三次元モデルを用い、開口時における顎関節円板への応力解析を非線形有限要素法プログラムを用いて行ない、これにより転位顎関節円板における応力分布、変形様相を明らかにすることを目的とした。 まず初年度に復位を伴わない関節円板転位例における上下顎関節腔造影同時多層断層エックス線写真を用い、転位関節円板の輪郭をトレ-ス入力し、転位顎関節円板三次元画像を再構成した。なおパ-ソナルコンピュ-タ-を使用した顎関節円板三次元画像の再構成に関する手法は、本研究者が昭和61・62年度科学研究費補助金(一般研究Cj課題番号61570959)の助成を受け、すでに公表した方法を用いた。ついで、転位顎関節円板三次元画像を3種類、すなわち圧縮,重畳,捻転に分類し,それらのうち最も単純なモデルとして圧縮タイプを選択し非線形静解析を行った。非線形有限要素法解析には、非線形有限要素法プログラム(横河技術情報,COSMOS/M(V1.52A))を本年度補助金にて購入し使用した。なお本プログラムは教育所有のパ-ソナルコンピュ-タ-上で駆動し、演算結果は数値デ-タならびに画像デ-タとして出力された。解析の結果、転位関節円板の応力分布は下顎頭を作用点とした場合、円板後方肥厚部を中心にほぼ同心円状に描出された。
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