1991 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成因子の遺伝子クロ-ニングとその臨床応用に向けての基礎的研究
Project/Area Number |
03670937
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩城 博 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70107308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 文雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60157849)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
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Keywords | 骨形成因子(BMP) / PCR法 |
Research Abstract |
新生児マウス全組織より抽出したmRNAをもとに作成したcDNAをテンプレ-トとし、Vgrー1のcoding regionのものと、BMP2およびBMP4のcoding regionに共通な塩基配列のものをプライマ-としPCR反応を行なったところ、その産物は電気泳動によりそれぞれ単一のバンドとして検出できた。sequenceを行なった結果、Vgrー1のプライマ-を用いて得られたcDNAについては、報告のあったVgrー1と一致していることがわかった。またBMP2/4のプライマ-を用いたものについては、ヒトのBMP2の塩基配列と非常にホモロジ-の高い部分が存在した。 それぞれ得られたcDNAをアイソト-プでラベルし、各種細胞より抽出したRNAとハイブリダイズさせ、その発現を調べたところ、Vgrー1の発現は、MGー63、U2ーOS、HOSにおいて1本のバンドとして強く検出された。一方、BMP2の発現は、Vgrー1の発現のみられなかったMC3T3ーE1において強く検出された。UMRー106,108では、Vgrー1およびBMP2の発現はみられないか、検出されてもわずかであった。またVgrー1の発現は、細胞の培養状態等により変化がみられた。以上のような研究より、Vgrー1は軟骨細胞の最終分化段階において発現していることを示唆する報告もあるが、ある種の骨芽細胞において強く発現していることがわかり、骨芽細胞の分化においても発現が調節されている可能性が示唆されている。BMP2については、リコンビナントで未分化間葉系細胞を分化させ異所性の骨形成を起こすことが知られているが、分化した骨芽細胞自身がそのmRNAを発現していることから、骨形成過程の最終段階においても何らかの作用をしていることが示唆されている。
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