1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670953
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
匠原 悦雄 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00107070)
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Keywords | 咀嚼筋 / 開口反射 / 誘発筋電図 / 電気生理学的研究 / 中枢性筋弛緩薬 / 塩酸エペリゾン / 塩酸トルペリゾン / アフロクァロン |
Research Abstract |
今年度は前年度(平成4年度)に引続き、三叉神経系を用いて中枢性筋弛緩薬の中枢神経に及ぼす効果に検討を加えた。中枢性筋弛緩薬の静脈内投与による開口反射に対する抑制効果を指標にした場合、塩酸エペリゾン、塩酸トルペリゾン系の筋弛緩薬は、その効果が非常に長く持続する(30分以上)のに対し、アフロクァロンはその抑制効果の持続が短時間(10分以下)であること、およびいずれの中枢性筋弛緩薬も神経筋接合部には全く作用しないことが前年度までの研究によって示されていたが、これらのことをさらに実験を繰り返し確認を行なった。さらに、中枢におけるこの抑制が開口反射のどのシナプス接続(開口反射は、三叉神経感覚核→三叉神経運動核の2シナプス反射と考えられる)で発揮されているかを追求するため、オトガイ神経、眼窩下神経に刺激電極を設置し、三叉神経感覚核において誘発電位を記録し、塩酸エペリゾンを静脈内に投与し誘発電位の変化を観察した。詳細な検討はまだであるが、三叉神経感覚核群(上知覚核、吻側亜核、尾側亜核)いずれにおいても塩酸エペリゾンは抑制的に作用することが示された。ユニットの記録により低域値、および高域値のニューロンに異なる作用を示すかはまだ十分な実験を行なっていない。引続き研究を行なう予定である。塩酸エペリゾンが感覚核に抑制作用を示すことから、開口反射の中枢性筋弛緩薬による抑制には第一のシナプスの関与があることが示された。三叉神経運動ニューロンへのシナプス接続にどう作用するかは、今後さらに実験を行い検討を加える予定である。
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