1992 Fiscal Year Annual Research Report
培養法による口腔扁平上皮癌における基底膜構成成分の局在に関する免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
03670958
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
山田 容三 東京医科大学, 医学部, 講師 (70210490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 忠良 東京医科大学, 医学部, 講師 (60201430)
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Keywords | フィブロネクチン / 血漿フィブロネクチン / 細胞性フィブロネクチン / フィブロネクチンフラグメント |
Research Abstract |
平成3年度までに,担癌動物(家兎VX2舌癌)において,血中フィブロネクチン濃度が,腫瘍の増殖と相関して増加してくることが判明したため,本年度は,その舌癌局所の免疫組織化学的染色と増加してくる血中フィブロネクチンが,血漿フィブロネクチン(pFN)かそれとも細胞性フィブロネクチン(cFN)かを解析し,又血中に移行してくるであろう腫瘍周囲において破壊されたフィブロネクチンのフィブロネクチンフラグメントを検索した。その結果,癌移植早期においてはpFNの癌周囲への集積が認められたが,その後はcFN陽性所見がほとんどであった。又血中においてウェスタンブロット法を用いてcFNの検出を試みたが,cFNは検出されなかった。このことは癌周囲におけるフィブロネクチンは,移植後早期においてpFNの血中よりの移行が考えられるが,その後は癌間質の反応によるcFNと推測された。一方,癌周囲にて破壊されたフィブロネクチンのフィブロネクチンフラグメントの検索については,血漿中において試みたが,血漿中には他にもタンパク質が多く存在するため検出には至らなかった。そこで尿中に変更し検索した結果,尿中においてフィブロネクチンフラグメントのゼラチン親和性ドメイン(40〜50KD)が有意に上昇するという結果を得た。このフィブロネクチンフラグメントのゼラチン親和性ドメインが血中において上昇して排泄されたものであるか,それとも腎の糸球体において選択的に濾過され排泄されたものであるかは現在検索中ではあるが,担癌状態において有意に上昇してくるということは事実であり,癌床的マーカーとなりうる可能性が.今回の実験において示唆された。
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