1992 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症が歯周組織および顎骨におよぼす影響についての実験的および臨床的研究
Project/Area Number |
03670959
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
小林 博 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (50085809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 大平 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10173337)
黒田 直正 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30085906)
川島 康 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10085722)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 顎骨吸収 / 卵巣摘出+低Ca食 / 糖尿病 / 肝梗変 |
Research Abstract |
高齢化の進む日本においては骨粗鬆症は、大変重要な課題を持った疫患の一つである。骨粗鬆症が歯牙および歯周組織ならびに顎骨などにどの様な影響をおよぼすか、検索し報告した。 1.卵巣摘出、低カルシウム食飼育によるラット実験的骨粗鬆症モデルを用いて、高分解能走査型電子顕微鏡による顎骨表面の立体超微細構造とくに骨細胞および骨基質の変化を観察し、またmicro densitometry法骨形態計測法などの画像解析法を用いて、骨形成過程への影響、とくに加齢に伴う生理的変化と骨粗鬆症に伴う変化とを比較し、骨形成過程への影響を検討した。その結果、骨粗鬆症では、顎骨の骨基質形成面のコラーゲン細線維の石灰化が障害されて、骨粗鬆化が発症することが認められ、皮質骨および骨梁の密度、幅、数が顕著に減少し、高度の骨粗鬆化が認められた。(平成3年度既報告) この実験的骨粗鬆症ラットに、オバホルモン(エストラジオール)を投与することにより、皮質骨および骨梁の密度、幅、数の減少を抑制し骨の粗鬆化を抑制することが確認された。 2.透過型電子顕微鏡の観察によると、骨粗鬆症ラットでは、骨芽細胞は、ゴルジ空胞の膨化および自食胞が多数みられ、機能の低下が認められた。またコラーゲン細線維は、未石灰化領域では、周期構造が明瞭で石灰化領域に近ずくにつれて、線維が太くなり、線維間隙および周期構造が消失し、石灰化が行われていることが確認されたが、異常構造を示すものは、認められなかった。 3.現在、細胞培養により、卵巣摘出・低ca食骨粗鬆症およびストレプトゾトシン誘発糖尿病ならびに四塩化炭素誘発肝梗変などの各種病態下より採取した骨由来細胞の分離培養および株化の確立ならびに至適培養条件を検討中である。
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Research Products
(1 results)