1991 Fiscal Year Annual Research Report
光ー圧力変換方式を利用した微小圧力分布センサ-による口唇閉鎖機能の定量的解析
Project/Area Number |
03670970
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 準二 東北大学, 歯学部, 助教授 (00005109)
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Keywords | 圧力分布センサ- / 光ー圧力変換方式 / 口唇閉鎖不全 / 画像処理 / 顎変形症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、開咬やアデノイド肥大などによる気道障害を伴った患者に多く認められる口唇閉鎖不全を定量的に評価することである。その際の仮説として、口唇閉鎖不全を伴う患者の最大口唇閉鎖力は健常者のそれよりも劣ることを想定した。口唇閉鎖力の測定系として、光ー圧力変換方式を利用した圧力分布センサ-を開発し、かつ臨床応用を可能にするためにディスポ-ザブルタイプのカ-トリッジを試作した。本システムの構造および原理は以下のようなものである;1)表面に微小な四角錐状の突起を備えたシリコンゴムシ-トを透明なアクリル板に近接させる。2)口唇によってシリコンゴムシ-トに圧力を与える。3)アクリル板に光を入射する。4)アクリル板の中を全反射しながら伝播した光が、口唇によってアクリル板表面に圧接されたシリコンゴムシ-ト突起部において乱反射を生じ、外部に射出する。5)圧力に比例した光量を写真フィルムに記録する。6)イメ-ジスキャナによりパ-ソナルコンピュ-タに入力し、画像処理によって圧力分布を測定する。 本圧力分布センサ-の有効性を評価するために、臨床応用を試みた。被験者は対照群として口唇閉鎖不全を伴わない成人女性の正常咬合者5名を、また実験群として著しいinterlabial gapを有する成人女性の顎変形症患者5名を選択した。その結果、対照群の圧力分布パタ-ンは、口唇中央部に高圧力ゾ-ンを伴う対称形の多層状のパタ-ンを示したが、実験群においては圧力分布に偏位が認められ、不整形なパタ-ンを呈していた。また顎変形症患者の最大口唇閉鎖力は正常咬合者と比較して明らかに小さかったことから、口唇閉鎖不全と圧力分布パタ-ンとの間には強い相関があることが証明された。
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