1992 Fiscal Year Annual Research Report
骨格性不正咬合の成立と後方犬臼歯部の叢生との関連性に関する研究
Project/Area Number |
03670983
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
佐藤 貞雄 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (00084799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 進 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70147990)
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Keywords | Discrepancy / Skeletal Malocclusion / Over Eruption / Vertical Dimension / Monkey / Mandible / Growth |
Research Abstract |
1.本研究は、骨格性不正咬合患者において見られる大臼歯の過剰萌出が顔面骨格の成長にどのような影響を与えるのかという点について実験動物(サル)を、用いて検討しようとした。それゆえに、大臼歯の過剰萌出を人為的に再現し、それに対する顔面骨格の発育を長期に亘って追跡する必要があった。1991年9月にまず予備的実験が開始された。1992年10月には実験動物を用いる過程はほぼ終了し、まず頭部X線規格写真による顎顔面頭蓋の形態的変化の分析をおこなった。組織学的検索については現在も進行中である。 2.人為的な大臼歯の過剰萌出を、サル上顎第一大臼歯に金属冠を装着することによって再現し、その後約1年間の顎顔面骨格の成長パターンを頭部X線規格写真を用いて検討したところ次のようなことが分かった。 a.混合歯咬合期にある若い動物では大臼歯部の咬合挙上によって、下顎骨は次第に前方回転を伴う前方偏位を示し、咬合状態は反対咬合様の変化を示した。すなわち下顎下縁平面はSN-MP角が6°、PP-MP角が6.8°減少し、またAB-MP角は1°減少した。 b.一方、成猿(永久歯咬合)に対して同様の処置を行った結果では、若い猿に見られたような下顎の前方回転は見られず、咬合状態は開咬様の変化を示した。すなわち下顎下縁平面はSN-MP角が2.2°PP-MP角が2.4°増加した。 c.これらのことから、後方大臼歯部の叢生とそれに伴う大臼歯の過剰萌出は、顎顔面骨格の発育に重大な影響を与えているものと推定された。 3.今後の検索によって次のようなことを明らかにする予定である a.咬合挙上と下顎頭および下顎骨の発育との関係について組織学的検索し、どのようなメカニズムで下顎の発育が進行するのかを明らかにする。 b.咬合挙上が咀嚼筋の機能にどのように影響するのかについて検討する。 c.それらの結果を踏まえて、骨格性不正咬合の咬合治療への応用について検討する。
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