1992 Fiscal Year Annual Research Report
多キラル中心を有するマクロリド系抗生物質の合成と、その合理的方法論の開発
Project/Area Number |
03670987
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浜田 辰夫 北海道大学, 薬学部, 助教授 (40001979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 範行 北海道大学, 薬学部, 助手 (40188959)
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Keywords | マクロリド抗生物質 / 全合成 / セコ酸 / 配座計算 / マクロラクトン化 / 逆合成計計 |
Research Abstract |
5または6のようなマクロリド抗生物質の合成を行うためには3のセコ酸のマクロラクトン化が鍵段階になる。セコ酸の配座計算を行い、セコ酸をデザインし、実際セコ酸誘導体を合成しマクロラクトン化を検討して配座計算結果との比較を行った。先ず、1a,bの配座を計算した結果、1aはラクトン体xの配座に近い配座を取り、閉関しやすいことが予測されるのに対し、3bは9,11ジオールの6員環アセトニドが閉関しずらい捩れ舟型であった。実際1aを合成し高収率でのマクロラクトン化を経て5の全合成を達成した。又、1bを合成しラクトンかを試みたが、1aの配座計算から予想されたように低収率でしかラクトン体がえられなかった。2の合成の前駆体のセコ酸2aの配座計算では閉環体に近い配座を取りえない事があきらかとなったが、実際合成したセコ酸2aからラクトン体4aを得ることが出来なかった。現在8位をエキソメチレンにしたセコ酸を経由する6の合成を検討している。以上、配座計算による反応予測を基本とした合理的逆合成計画はかなり有力な手段であることを明かにすることが出来た。今後複雑な構造の天然物の合成ためにますます重要な手段となりうるとおもわれる。
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