1993 Fiscal Year Final Research Report Summary
ヒト腸内細菌によるアルカロイド生成に関する化学的研究
Project/Area Number |
03670996
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
服部 征雄 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (40126545)
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Project Period (FY) |
1991 – 1993
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Keywords | 腸内細菌 / 代謝 / 含窒素化合物 / aucubin / geniposide / gardenoside / イリドイド配糖体 / セコイリドイド配糖体 |
Research Abstract |
イリドイド配糖体のaucubinは腸内細菌とインキュベーションすると腸内細菌由来のβ-グルコシダーゼにより加水分解され、真正アグリコンであるaucubigeninの他、新規含窒素化合物であるaucubinine A,Bに変換されることを見いだした。腸内細菌のうちKlebsiella pneumonia,Bifidobacterium breve,Bifidobacterium pseudolongum,Peptostreptococcus intermedius and Bacteroides fragilisなどの菌種は特にこの含窒素化合物の生成が顕著であった。 また、和漢薬の山梔子中に含まれる代表的イリドイド配糖体であるgeniposide,gardenosideも腸内細菌とインキュベーションすることによりそれぞれの真正アグリコンの他、genipinine,gardenineと命名した含窒素化合物を生成することが判明した。Genipinineの生成には、Peptostreptococcus anaerobius,Klebsiella pneumonia,Fusobacterium nucleatum,Bacteroides fragilis ssp.thetaotusなどの菌種が顕著な生成を示すことが判明した。これらの含窒素化合物の生成は、β-グルコシダーゼの作用により生成したアグリコンのヘミアセタール構造の開環、ジアルデヒド中間体とアンモニア、あるいはアンモニウムイオンとの反応により生成するシッフ塩基を経由するものと思われる。 このように、イリドイド配糖体が腸内細菌の作用により、含窒素化合物に変換されることは、非常に興味あることであり、今後これらの新規化合物の薬効が明らかにされれば、和漢薬の薬効発現機構の解明に繋がるものと思われる。
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[Publications] Y.Kawata,M.Hattori,T.Akao,K.Kobashi,T.Namba: "Formation of Nitrogen-Containing Metabolite from Geniposide and Gardenoside" Planta Medica. 57. 70-76 (1991)