1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03671002
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 和男 広島大学, 医学部, 教授 (00034017)
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Keywords | 抗アレルギー / フィリピン / ムラサキ科 / ヒスタミン遊離 / ローズマリー酸 / マストセル |
Research Abstract |
前年度に改良したヒスタミン遊離抑制活性の測定法により、多量の検体を迅速に測定した。前年度の実績により強いヒスタミン遊離の抑制活性が認められた植物の中からムラサキ科のEhretia microphylla,E.philippinensis及びCordia myxaの3種において活性成分の追究を行った。これらはいずれも、フィリピンにおいて民間的に民間的に抗アレルギー作用並びに抗炎症作用を目的として用いられており、特にEhretia microphyllaが汎用されている。 Ehretia microphyllaのメタノールエキスの活性がどの溶媒によって抽出されるかを調べた。極性の順にヘキサン、酢酸エチル、ブタノールで分画したところ、ブタノール分画及び、ヘキサン分画に活性が認められたため、ヘキサン分画を追究した。活性を追いながらカラムクロマトグラフィーを行い、活性の濃縮された分画を得た。この分画はNMR分析によりオキシ脂肪酸と推定されたが、さらに精製を要する。 Cordia myxaについては活性のない分画からβ‐sitosterolが得られたが、活性分画は酢酸エチル分画に存在し、精製の最終段階である。 現在までに全く研究の行なわれていないフィリピン特産のE.philippinensisの活性もおもにブタノール分画に見いだされ、この場合は比較的多量に得られたため、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画を行い、活性の濃縮した分画を得た。この最も強い活性を有する分画を精製したところ、rosmarinic acidが高収量で得られた。これは前者の活性本体と同じであったが、著しく高含量なため、その資源植物として注目される。 さらに、湿疹などのアレルギー治療に用いられるキク科のPseudoelephantopusspicatusより、新規のセスキテルペンを単離・構造決定した。(投稿受理)
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