1991 Fiscal Year Annual Research Report
海星類型フィトスフィンゴシンを基盤とした生物活性海産糖脂質の立体化学的研究
Project/Area Number |
03671004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古森 徹哉 九州大学, 薬学部, 教授 (80037572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 昌徳 九州大学, 薬学部, 助手 (50173670)
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Keywords | スフィンゴ糖脂質 / セラミド / フィトスフィンゴシン / スフィンガニン / 渦鞭毛藻(dinoflagellate sp.) / (S)ーbenzylー1,2ーepoxypropyl ether / Symbioramide / βーヒドロキシアスパラギン酸 |
Research Abstract |
当研究室で行なっている各種ヒトデ類のスフィンゴ糖脂質の部分部は、哺乳動物のスフィンゴ糖脂質とは構造が異なるにも拘わらず、神経突起伸展作用などの種々の興味深い生理活性を示すことが次第に明らかになっている。そこで単離が困難であり、また含量および得量の低いこれら海星類型スフィンゴ糖脂質の大量合成ル-トを確立し、さらに渦鞭毛藻(dinoflagellate sp.)より得られる絶対構造不明のセラミドSymbioramideの立体化学的研究を行なった。この結果、(S)ーbenzyー1,2ーepoxypropyl etherを用いてαーヒドロキシ脂肪酸の2位に不斉を導入し、(R)ー1ーacetoxytetracosanoic acidを1ーhenicosyneより4段階で全収率57%で得た。また、フィトスフィンゴシンも(S)ーbenzylー1,2ーepoxypropyl etherを用いて不斉源とし、dodecylaldehydeより11段階で全収率33%で得た。各々を高収率でカップリングさせ、海星類型フィトスフィンゴシンを有するセラミドの大量合成ル-トを確立し、スフィンゴ糖脂質の基本骨格であるセラミドラクトシドを合成した。Symbioramideの立体化学的研究では、不斉エポキシ化を二度用いて(2R,3E)ー2ーbenzoxyoctadecー3ーenic acidを合成し、既知の方法で合成したスフィンガニンとアミド化して全合成を達成し、不明の絶対構造を決定した。また酒石酸エステルの不斉炭素を利用して、βーヒドロキシアスパラギン酸に変換し、(2S,3R)ースフィンガニンの合成も行なった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeshi Sagara,Koutarou Kawanami,Masanori Honda,Tetsuya Komori: "Synthesis of a Ganglioside from the Starfish Asterias amurensis versicolar Sladen" Liebigs Ann.Chem.
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[Publications] Masanori Honda,Katrin Metz,Naoto Sato,Tetsuya Komori: "Stereochemistry of Symbioramide from a Dinoflagellate Symbiodinium sp." Liebigs Ann.Chem.